2026年版・4-9

個別労働関係紛争解決促進法等の一問一答

社会保険労務士(社労士)「労務管理その他の労働に関する一般常識」から、個別労働関係紛争解決促進法等に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問14-9

個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律に基づく総合労働相談コーナーに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①総合労働相談コーナーを利用するに当たっては、あらかじめ必ず弁護士による正式な個別具体的な法律相談を経ていることが必要不可欠な要件とされている。
  • ②総合労働相談コーナーは、都道府県労働局や労働基準監督署等に設置され、あらゆる労働問題の相談にワンストップで対応し、情報提供や紹介等を行うとされている。
  • ③総合労働相談コーナーを利用するに当たっては、相談の内容や性質のいかんにかかわらず、必要な一定額の費用を利用者自身が別途負担しなければならないとされている。
  • ④総合労働相談コーナーは、その性質上、労働者本人からの相談のみを常に必ず受け付けているものとされ、事業主側からの相談には一切応じないとされている。
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正解 ②総合労働相談コーナーは、都道府県労働局や労働基準監督署等に設置され、あらゆる労働問題の相談にワンストップで対応し、情報提供や紹介等を行うとされている。
解説
総合労働相談コーナーは、解雇、雇止め、賃金引下げ、いじめ・嫌がらせなど、あらゆる労働問題に関する相談にワンストップで対応する窓口として、都道府県労働局や労働基準監督署等に設置されています。相談は無料で、専門の相談員が対応します。

他の選択肢が誤りの理由
①総合労働相談コーナーの利用に事前の弁護士相談は要件とされていません。誰でも直接利用できます。③総合労働相談コーナーの利用は無料です。④労働者だけでなく事業主からの相談にも応じています。
問24-9

個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律が定める都道府県労働局長による助言及び指導に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  • ①都道府県労働局長は、個別労働関係紛争について、当事者から解決の援助を求められた場合には、必要な助言又は指導をすることができる。
  • ②助言又は指導は、当事者に対して紛争の自主的な解決を促すためのものであり、当事者を法的に拘束する強制力を持つものではない。
  • ③事業主は、労働者が助言又は指導の申出をしたことを理由として、当該労働者に対し解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。
  • ④都道府県労働局長による助言及び指導の申出自体は、労働組合と事業主との間の集団的な労使紛争についても広く行うことができる。
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正解 ④都道府県労働局長による助言及び指導の申出自体は、労働組合と事業主との間の集団的な労使紛争についても広く行うことができる。
解説
個別労働関係紛争解決促進法の対象は、労働条件その他労働関係に関する事項についての、個々の労働者と事業主との間の紛争(個別労働関係紛争)です。労働組合と事業主との間の集団的な労使紛争は、労働組合法に基づく労働委員会の手続の対象であり、この法律による助言・指導の対象ではありません。

他の選択肢が正しい理由
①都道府県労働局長による助言・指導の要件を正しく説明しています。②助言・指導が当事者の自主的解決を促すものであり強制力を持たない点を正しく説明しています。③助言・指導の申出を理由とする不利益取扱いの禁止を正しく説明しています。
問34-9

個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律が定める紛争調整委員会によるあっせんに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①都道府県労働局長は、個別労働関係紛争の解決のためにあっせんが必要と認めるときは、紛争調整委員会にあっせんを行わせるものとされている。
  • ②紛争調整委員会によるあっせんは、当事者の一方のみからの申請では開始することができず、当事者双方が共同で申請しなければならないとされている。
  • ③紛争調整委員会は、法律の規定上、弁護士のほか大学教授や社会保険労務士など学識経験を有する者のみによって組織されるものとされている。
  • ④あっせん手続の実施に要する費用については、当事者双方があらかじめ定められた基準に従い自ら負担しなければならないものとされている。
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正解 ①都道府県労働局長は、個別労働関係紛争の解決のためにあっせんが必要と認めるときは、紛争調整委員会にあっせんを行わせるものとされている。
解説
都道府県労働局長は、個別労働関係紛争について、当事者の双方又は一方からあっせんの申請があった場合において、当該紛争の解決のために必要があると認めるときは、紛争調整委員会にあっせんを行わせるものとされています。あっせん委員が間に入り、双方の主張を確認しながら合意による解決を目指す手続です。

他の選択肢が誤りの理由
②あっせんは当事者の一方からの申請でも開始することができ、双方の共同申請は必須ではありません。③紛争調整委員会は弁護士、大学教授、社会保険労務士等、労働問題に関する専門的な知識経験を有する委員で組織され、弁護士のみで構成されるものではありません。④あっせん手続は無料で利用することができ、当事者が費用を負担する必要はありません。
問44-9

個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律に基づくあっせんの対象に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  • ①解雇、雇止め、配置転換、いじめ・嫌がらせなど、労働関係に関する事項についての個々の労働者と事業主との間の紛争は、あっせんの対象となり得る。
  • ②労働者の募集及び採用に関する事項についての紛争については、法律上あっせんの対象から明確かつ確実に除外されているものとされている。
  • ③募集及び採用に関する紛争それ自体についても、労働者と事業主との間の個別労働関係紛争である以上は、あっせんの対象に当然に含まれる。
  • ④男女雇用機会均等法や育児・介護休業法など、他の法律に紛争解決援助の規定が置かれている事項は、それぞれの法律の規定が優先的に適用される。
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正解 ③募集及び採用に関する紛争それ自体についても、労働者と事業主との間の個別労働関係紛争である以上は、あっせんの対象に当然に含まれる。
解説
個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律は、労働者の募集及び採用に関する事項についての紛争を、あっせんの対象から明文で除外しています。募集・採用段階では労働契約関係がいまだ成立していないことなどがその理由とされています。

他の選択肢が正しい理由
①解雇や配置転換等をめぐる紛争があっせんの対象となり得ることを正しく説明しています。②募集・採用に関する紛争が対象から除外されているという原則を正しく説明しています。④均等法や育児・介護休業法など個別法に紛争解決援助の規定がある事項は、それぞれの法律の規定が優先的に適用されます。
問54-9

紛争調整委員会によるあっせん手続の性質に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①あっせん手続は原則として、広く全面的に公開で行われ、第三者であっても自由に傍聴することができるとされている。
  • ②あっせん手続は非公開で行われ、あっせん委員が当事者双方から事情を聴取するなどして、話合いによる合意を目指す。
  • ③あっせんが打ち切られた場合、当該紛争について労働審判や訴訟による解決を求めることはできなくなる。
  • ④あっせんの手続に参加した使用者は、あっせん案が提示された場合、これを必ず受諾しなければならない。
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正解 ②あっせん手続は非公開で行われ、あっせん委員が当事者双方から事情を聴取するなどして、話合いによる合意を目指す。
解説
あっせん手続は、当事者のプライバシーや秘密を保護する観点から非公開で行われます。あっせん委員が当事者双方の主張の要点を確認しながら、話合いによる自主的な解決を促すことを目的としています。

他の選択肢が誤りの理由
①あっせん手続は非公開で行われ、第三者が自由に傍聴できるものではありません。③あっせんが打ち切られた場合であっても、当事者は労働審判の申立てや訴訟の提起など、他の解決手続を利用することができます。④あっせん案の受諾は当事者の任意によるものであり、受諾を強制されることはありません。
問64-9

紛争調整委員会によるあっせん案に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  • ①あっせん委員は、あっせんによる解決の見込みが十分にあると判断した場合、当事者双方に対しあっせん案を提示することもできる。
  • ②あっせん案は、当事者双方が正式に受諾したときに初めて、法律上の効力を持つ合意として成立するものとされている。
  • ③当事者の一方があっせん案を受諾しない場合には常に、そのあっせんの手続は打ち切られることがあるものとされている。
  • ④あっせん案には裁判所の判決と同様の既判力があり、当事者は後にその内容を争って訴訟を提起することができないとされている。
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正解 ④あっせん案には裁判所の判決と同様の既判力があり、当事者は後にその内容を争って訴訟を提起することができないとされている。
解説
あっせん案が受諾された場合の効果は民法上の和解契約としての効力にとどまり、裁判所の確定判決のような既判力や執行力を当然に有するものではありません。あっせん案を受諾するかどうかは当事者の任意です。

他の選択肢が正しい理由
①あっせん委員によるあっせん案の提示の仕組みを正しく説明しています。②あっせん案は当事者双方の受諾によって合意として成立するという性質を正しく説明しています。③一方が受諾しない場合にあっせんが打ち切られ得ることを正しく説明しています。
問74-9

労働審判法が定める労働審判制度に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①労働審判手続は、個々の労働者と事業主との間の民事に関する紛争について、第一審として必ず地方裁判所において行われるとされている。
  • ②労働審判は、労働審判官である裁判官1名のみによって常に行われ、労働関係に関する専門的知識経験を有する労働審判員は一切関与しない。
  • ③労働審判手続は、労働組合と事業主との間の団体交渉等に関する紛争のみを主な対象とする制度であるものと明確にされている。
  • ④労働審判の申立てがあった場合、審理はその期日の回数に特段の制限なく、必要な限りは何度でも続けられるものとされている。
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正解 ①労働審判手続は、個々の労働者と事業主との間の民事に関する紛争について、第一審として必ず地方裁判所において行われるとされている。
解説
労働審判制度は、解雇や賃金未払いなど、個々の労働者と事業主との間の労働関係に関する民事紛争を、迅速・適正かつ実効的に解決するための裁判所の手続であり、地方裁判所が管轄します。個別労働関係紛争解決促進法によるあっせんとは異なり、裁判所が主宰する法的手続です。

他の選択肢が誤りの理由
②労働審判は、裁判官である労働審判官1名と、労働関係に関する専門的知識経験を有する労働審判員2名の合議体で行われます。③労働審判は個別労働関係紛争を対象とするものであり、労働組合と事業主との間の団体交渉等をめぐる集団的労使紛争は主な対象ではありません。④労働審判手続は、原則として3回以内の期日で審理を終結することとされています。
問84-9

労働審判手続の進め方に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  • ①労働審判手続の実施については、原則として、特別な事情がない限り3回以内の期日で審理を終結しなければならないものと明確に定められている。
  • ②労働審判委員会は、審理の結果、当事者間の権利関係を踏まえつつ、事案の実情にも即した柔軟な解決を常に図るための労働審判を行うこともできる。
  • ③労働審判に対して当事者から適法な異議の申立てがあった場合であっても、当該労働審判はそのまま確定判決と同一の効力を持ち続けるのである。
  • ④労働審判手続の審理の途中の段階であっても、調停(裁判上の和解)による解決が十分に図られることがあるものと明確に定められている。
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正解 ③労働審判に対して当事者から適法な異議の申立てがあった場合であっても、当該労働審判はそのまま確定判決と同一の効力を持ち続けるのである。
解説
労働審判に対し、当事者が2週間以内に適法な異議の申立てをしたときは、当該労働審判はその効力を失い、当該労働審判の申立てに係る請求については、労働審判の申立ての時に訴えの提起があったものとみなされ、通常の訴訟手続に移行します。

他の選択肢が正しい理由
①原則3回以内の期日で審理を終結するという迅速な解決を目指す制度設計を正しく説明しています。②権利関係を踏まえた柔軟な解決を図る労働審判の性質を正しく説明しています。④審理の途中で調停による解決が図られることがあるという運用を正しく説明しています。
問94-9

労働審判に対する異議の申立てに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①労働審判に対する異議の申立てについては、労働審判が告知された日から6か月以内であれば、いつでもすることができるとされる。
  • ②適法な異議の申立てがあったときは、労働審判はその効力を失い、労働審判の申立ての時に遡って訴えの提起があったものとされる。
  • ③労働審判に対する異議の申立てについては、事業主のみが行うことができ、労働者は異議を申し立てることができないとされる。
  • ④労働審判に対して異議の申立てがされた場合、それまでの労働審判手続における主張や証拠は、その後の訴訟手続では一切考慮されない。
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正解 ②適法な異議の申立てがあったときは、労働審判はその効力を失い、労働審判の申立ての時に遡って訴えの提起があったものとされる。
解説
労働審判に不服がある当事者は、労働審判の告知を受けた日から2週間の不変期間内に異議の申立てをすることができます。適法な異議の申立てがあると労働審判は効力を失い、労働審判手続の申立ての時に訴えの提起があったものとみなされ、通常訴訟に移行します。

他の選択肢が誤りの理由
①異議申立ての期間は労働審判の告知を受けた日から2週間以内であり、6か月以内ではありません。③異議の申立ては労働者・事業主のいずれからも行うことができます。④訴訟に移行した後も、労働審判手続で提出された資料等は訴訟における証拠として活用され得ます。
問104-9

個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律が定める「個別労働関係紛争」の定義に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  • ①個別労働関係紛争とは、労働条件その他労働関係に関する事項についての、個々の労働者と事業主との間の紛争のみをいう。
  • ②解雇の効力をめぐる労働者と事業主との間の紛争は、個別労働関係紛争に該当し得るものであるとされている。
  • ③募集・採用に関する紛争も、広い意味での労働関係上の紛争として目的規定の対象には含まれるとされている。
  • ④個別労働関係紛争には、労働組合と事業主との間で締結された労働協約の解釈をめぐる紛争も当然に含まれるとされている。
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正解 ④個別労働関係紛争には、労働組合と事業主との間で締結された労働協約の解釈をめぐる紛争も当然に含まれるとされている。
解説
個別労働関係紛争は、あくまで個々の労働者と事業主との間の紛争を対象とする概念です。労働組合と事業主との間の労働協約の解釈をめぐる紛争は労使間の集団的な紛争であり、個別労働関係紛争には当たらず、労働組合法上の労働委員会の手続等が予定されています。

他の選択肢が正しい理由
①個別労働関係紛争の定義を条文どおりに説明しています。②解雇の効力をめぐる紛争が典型例として挙げられます。③募集・採用に関する紛争は、あっせんの対象からは除外されますが、法律の目的規定(第1条)における「労働関係に関する事項についての労働者と事業主との間の紛争」には募集・採用も含まれるとされています。

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