2026年版・4-1

労働組合法・労働関係調整法の一問一答

社会保険労務士(社労士)「労務管理その他の労働に関する一般常識」から、労働組合法・労働関係調整法に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問14-1

労働組合法第2条が定める「労働組合」の要件に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①労働者が主体となり、労働条件の維持改善など経済的地位の向上を主たる目的として組織する団体であることを要する。
  • ②使用者の利益を代表する者の参加を許す団体であっても、労働者が主体であれば労働組合として認められる。
  • ③共済事業その他の福利事業のみを目的とする団体であっても、労働者が組織していれば労働組合として認められる。
  • ④主として政治運動を目的とする団体であっても、経済的地位の向上も目的の一つとしていれば労働組合として認められる。
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正解 ①労働者が主体となり、労働条件の維持改善など経済的地位の向上を主たる目的として組織する団体であることを要する。
解説
労働組合法第2条は、労働組合を「労働者が主体となって自主的に労働条件の維持改善その他経済的地位の向上を図ることを主たる目的として組織する団体又はその連合団体」と定義しています。労働者の自主性と経済的地位向上という目的の二点が中核的な要件です。

他の選択肢が誤りの理由
②使用者の利益を代表する者(役員や人事権を持つ監督的地位の者等)の参加を許す団体は、同条ただし書きにより労働組合から除外されます。③共済事業その他の福利事業のみを目的とする団体は、経済的地位の向上を主目的としているとはいえず除外されます。④主として政治運動又は社会運動を目的とする団体も同様に除外の対象です。
問24-1

労働組合法第7条が定める不当労働行為に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  • ①労働者が労働組合に加入したことを理由として解雇することは、不利益取扱いに当たるとされている。
  • ②使用者が労働組合の運営のための経費を援助することは、金額を問わず不当労働行為に当たらない。
  • ③労働者が労働組合に加入しないことを雇用条件とする、いわゆる黄犬契約は禁止される。
  • ④使用者は、労働組合からの団体交渉の申入れを、正当な理由なく拒否することは許されない。
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正解 ②使用者が労働組合の運営のための経費を援助することは、金額を問わず不当労働行為に当たらない。
解説
労働組合法第7条第3号は、使用者が労働組合の運営のための経費の支払につき経理上の援助を与えることを不当労働行為として禁止しています。労働時間中の有給での協議・交渉や、最小限の広さの組合事務所の供与など一部の便宜供与は例外的に許容されますが、経費援助が金額を問わず一律に許されるわけではありません。

他の選択肢が正しい理由
①組合加入を理由とする解雇その他の不利益取扱いは同条第1号の不当労働行為です。③いわゆる黄犬契約(組合不加入・脱退を雇用条件とすること)は同号で禁止されています。④正当な理由のない団体交渉拒否は同条第2号の不当労働行為に当たります。
問34-1

労働組合法上の労働協約に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①労働協約は、口頭による合意であっても、内容が明確であれば書面化しなくても効力を生ずる。
  • ②労働協約は、使用者と労働者の個別の合意により締結されるものであり、労働組合は当事者とならない。
  • ③労働協約は、書面に作成し、両当事者が署名又は記名押印することによって、その効力を生ずる。
  • ④労働協約には必ず有効期間の定めを置かなければならず、期間の定めのない協約は認められない。
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正解 ③労働協約は、書面に作成し、両当事者が署名又は記名押印することによって、その効力を生ずる。
解説
労働組合法第14条は、労働協約は書面に作成し、両当事者が署名又は記名押印することによってその効力を生じると定めています。口頭の合意や労使間の慣行だけでは、労働協約としての規範的効力は認められません。

他の選択肢が誤りの理由
①書面化と署名等は効力発生の要件そのものであり、口頭の合意のみでは労働協約として成立しません。②労働協約はまさに労働組合と使用者(又は使用者団体)との間で締結される点に特徴があり、個別労働者と使用者の合意ではありません。④労働協約には期間の定めのないものも認められており、その場合は当事者の一方が90日前に予告することで解約できるとされています。
問44-1

労働協約の効力に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  • ①労働協約に定める労働条件その他の労働者の待遇に関する基準に違反する労働契約の部分は、無効となるものとされている。
  • ②労働協約に反する部分が無効となったときは、その労働契約の部分については、原則として労働協約に定める基準によることとなる。
  • ③労働協約のうち、団体交渉の手続や争議行為のルールなど労使関係の運営の取り決めは、債務的効力を有するにとどまる。
  • ④労働協約の規範的効力は、労働協約を締結した労働組合の組合員であるか否かにかかわらず、当該事業場の全従業員に当然に及ぶ。
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正解 ④労働協約の規範的効力は、労働協約を締結した労働組合の組合員であるか否かにかかわらず、当該事業場の全従業員に当然に及ぶ。
解説
労働協約の規範的効力は、原則としてその労働協約を締結した労働組合の組合員にのみ及びます。組合員でない労働者にまで及ぶのは、一の事業場の常時使用される同種の労働者の4分の3以上が一の労働協約の適用を受けるに至ったときに他の同種労働者にも適用を拡張する一般的拘束力(労働組合法第17条)の要件を満たす場合などに限られ、「当然に」全従業員に及ぶわけではありません。

他の選択肢が正しい理由
①②労働組合法第16条が定める規範的効力の内容であり、協約の基準に違反する労働契約部分は無効となり、無効となった部分は協約の基準によります。③団体交渉の手続や争議行為のルールなど、労使関係の運営に関する取り決めは労働契約の内容を直接規律するものではないため、規範的効力ではなく当事者(労働組合と使用者)間の債権債務関係である債務的効力を有するにとどまります。
問54-1

労働委員会に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①労働委員会は、労働者委員と使用者委員の二者で組織され、公益委員は置かれない。
  • ②労働委員会は、公益委員、労働者委員及び使用者委員の三者で組織される。
  • ③労働者委員は、使用者側が指名した者の中から都道府県知事が任命する。
  • ④労働委員会は、不当労働行為の審査や労働争議の調整を行う権限を持たない。
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正解 ②労働委員会は、公益委員、労働者委員及び使用者委員の三者で組織される。
解説
労働委員会は、公益を代表する公益委員、労働者を代表する労働者委員、使用者を代表する使用者委員の三者構成をとる行政委員会です。この三者構成により、労使双方の意見を反映しつつ中立的な判断を行う仕組みとなっています。

他の選択肢が誤りの理由
①公益委員は必ず置かれ、二者のみで組織されることはありません。③労働者委員は労働組合の推薦に基づいて任命されるものであり、使用者が指名するものではありません(逆に使用者委員が使用者団体の推薦に基づき任命されます)。④労働委員会は不当労働行為の審査や労働争議の斡旋・調停等の調整を行う独自の権限を持つ行政機関であり、裁判所のみが行うわけではありません。
問64-1

労働組合法上の争議行為の民事上の免責に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①争議行為によって生じた損害については、その争議行為が正当なものであっても、労働組合が全額を賠償しなければならない。
  • ②民事上の免責が認められるのは労働組合のみであり、争議行為に参加した個々の組合員は損害賠償責任を免れない。
  • ③正当な争議行為によって使用者に損害が生じた場合であっても、労働組合及び組合員は、その損害を賠償する責任を負わない。
  • ④争議行為が正当と認められるかどうかは問わず、労働組合の行為である限り、常に損害賠償責任を免れるとされている。
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正解 ③正当な争議行為によって使用者に損害が生じた場合であっても、労働組合及び組合員は、その損害を賠償する責任を負わない。
解説
労働組合法第8条は、正当な団体交渉その他の行為であって労働組合又はその組合員が行ったものによって使用者が損害を受けたことの故をもって、使用者は労働組合又はその組合員に対し賠償を請求することができないと定めています。これを争議行為の民事免責といいます。

他の選択肢が誤りの理由
①正当な争議行為については民事免責が認められるため、損害賠償責任を負うことはありません。②民事免責は労働組合だけでなく、争議行為に参加した個々の組合員にも及びます。④免責が認められるのはあくまで「正当な」争議行為に限られ、正当性を欠く行為(暴力を伴う行為など)にまで免責が及ぶわけではありません。
問74-1

労働関係調整法が定める労働争議の調整手続に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  • ①斡旋、調停、仲裁のいずれの手続も、労働協約に別段の定めがある場合を除き、当事者の一方の申請のみでは開始できない。
  • ②斡旋は、労働委員会の会長が指名する斡旋員が、労使双方の主張の要点を確かめ、事件が解決するように努める手続である。
  • ③調停は、公益委員・労働者委員・使用者委員で構成される調停委員会が調停案を作成し、その受諾を勧告する手続である。
  • ④仲裁は、仲裁委員会が下した仲裁裁定に労使双方が拘束される、最も強い解決力を持つ手続であるとされている。
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正解 ①斡旋、調停、仲裁のいずれの手続も、労働協約に別段の定めがある場合を除き、当事者の一方の申請のみでは開始できない。
解説
斡旋は、関係当事者の双方又は一方からの申請、あるいは労働委員会会長の職権によっても開始することができ、当事者の一方の申請のみでも開始できます。これに対して仲裁は、原則として労使双方の申請又は労働協約の定めに基づく一方の申請が必要とされており、手続ごとに開始要件が異なります。

他の選択肢が正しい理由
②斡旋員による事実確認と解決の努力という斡旋の内容を正しく説明しています。③調停委員会による調停案の作成と受諾勧告という調停の内容を正しく説明しています。④仲裁裁定は労働協約と同一の効力を持ち労使双方を拘束する、最も強い解決力を持つ手続です。
問84-1

労働関係調整法が定める公益事業における争議行為の予告に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①公益事業に関する争議行為であっても、労働関係調整法上、本来原則として事前の通知や予告を行うことなく、そもそもいつでも自由に開始することができるとされている。
  • ②公益事業に関する争議行為を行う場合の予告期間については、労働関係調整法の規定により、少なくともその30日前までとしなければならないとされている。
  • ③公益事業の指定については、あらかじめ業種を定めておくのではなく、争議行為が発生するたびごとに、その都度内閣総理大臣自身が個別に行うものとされている。
  • ④公益事業に関する争議行為を行おうとする者は、少なくとも10日前までに労働委員会及び厚生労働大臣又は都道府県知事にその旨を通知しなければならないとされている。
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正解 ④公益事業に関する争議行為を行おうとする者は、少なくとも10日前までに労働委員会及び厚生労働大臣又は都道府県知事にその旨を通知しなければならないとされている。
解説
公益事業(運輸、郵便・電気通信、水道・電気・ガス供給、医療、公衆衛生の事業など公衆の日常生活に欠くことのできない事業)における争議行為は社会的影響が大きいため、労働関係調整法は予告制度を設け、争議行為の開始前に労働委員会及び厚生労働大臣又は都道府県知事への通知を義務付けています。

他の選択肢が誤りの理由
①公益事業の争議行為には10日前の予告が義務付けられており、無予告での開始は認められません。②予告期間は10日前までであり、30日前ではありません。③公益事業の指定は、内閣総理大臣があらかじめ業種等を指定する形で行われるものであり、争議行為の発生の都度個別に行うものではありません。
問94-1

労働関係調整法が定める緊急調整に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  • ①緊急調整は、争議行為が公益事業に関するものであるか、又は大規模で、国民経済や国民生活を著しく害するおそれがある場合に行われる。
  • ②緊急調整の決定は、内閣総理大臣ではなく都道府県知事が行うものとされており、内閣総理大臣の関与は要しないとされている。
  • ③緊急調整の決定をするに当たっては、内閣総理大臣が、あらかじめ中央労働委員会の意見を聴かなければならないとされている。
  • ④緊急調整の決定がされた旨がいったん公表されると、その公表があった日から50日間は争議行為が禁止されるものとされている。
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正解 ②緊急調整の決定は、内閣総理大臣ではなく都道府県知事が行うものとされており、内閣総理大臣の関与は要しないとされている。
解説
緊急調整の決定を行う権限を持つのは内閣総理大臣であり、都道府県知事にはこの権限はありません。内閣総理大臣は、事件が公益事業に関するものであるか、又はその規模が大きいことその他の事情により、国民経済の運行を著しく阻害し、若しくは国民の日常生活を著しく危くする虞があると認める事件についてのみ、緊急調整の決定をすることができます。

他の選択肢が正しい理由
①緊急調整が行われる要件を正しく説明しています。③緊急調整の決定に先立ち、内閣総理大臣は中央労働委員会の意見を聴かなければなりません。④緊急調整の決定が公表されると、その公表の日から50日間は争議行為が禁止されます。
問104-1

ユニオン・ショップ協定に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①ユニオン・ショップ協定を締結すれば、使用者は必ず例外なく、当該組合以外の別の労働組合に加入している労働者も全てを含め、常に解雇しなければならないとされている。
  • ②ユニオン・ショップ協定については、労働組合法上、締結すること自体が実際に支配介入等の不当労働行為に該当し、禁止されるものと広く一般に解されている。
  • ③ユニオン・ショップ協定は、労働者が採用後一定期間内に労働組合に加入しない場合、又は組合員資格を失った場合に、使用者が解雇する義務を負う協定であるとされている。
  • ④ユニオン・ショップ協定が締結されている事業場においては、原則として常に、当該労働者は労働組合を脱退する自由を一切持たないものと一般に解されている。
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正解 ③ユニオン・ショップ協定は、労働者が採用後一定期間内に労働組合に加入しない場合、又は組合員資格を失った場合に、使用者が解雇する義務を負う協定であるとされている。
解説
ユニオン・ショップ協定は、労働者の組合加入を間接的に強制することで組合の組織率を維持・強化する目的で締結される労使間の協定です。判例上、既に他の労働組合に加入している労働者について解雇義務を定める部分は民法90条により無効と解されています。

他の選択肢が誤りの理由
①別組合に既に加入している労働者を解雇する義務を定める部分は判例上無効とされ、常に解雇しなければならないわけではありません。②ユニオン・ショップ協定自体は労働組合法上禁止されておらず、広く締結されています(ただし黄犬契約とは区別されます)。④労働組合に加入する自由と同様、脱退する自由も一般に認められており、一切持たないという記述は誤りです。

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