2026年版・8-8

給付の通則(併給調整・不服申立て等)の一問一答

社会保険労務士(社労士)「国民年金法」から、給付の通則(併給調整・不服申立て等)に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問18-8

国民年金の年金給付における併給調整の原則(1人1年金の原則)に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①2つ以上の年金の受給権を有するときは、原則としていずれか1つを選択し、他は支給停止となる。
  • ②2つ以上の年金給付の受給権を有するに至った場合、すべての年金が全額支給されるとされる。
  • ③1人1年金の原則は、老齢基礎年金についてのみ適用され、その他の年金には適用されないとされる。
  • ④1人1年金の原則の下では、受給権者本人が選択する余地はなく、金額の高い方が支給される。
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正解 ①2つ以上の年金の受給権を有するときは、原則としていずれか1つを選択し、他は支給停止となる。
解説
公的年金制度は、1人の受給権者が同時に複数の年金を受給することを原則として認めない「1人1年金の原則」を採っています。2つ以上の年金の受給権を有するに至った場合、受給権者本人がそのうち1つを選択し、他の年金は支給が停止されます。

他の選択肢が誤りの理由
②は誤りです。原則としてすべてが全額支給されるわけではなく、選択された1つ以外は支給停止となります。③は誤りです。1人1年金の原則は老齢基礎年金に限らず、障害基礎年金や遺族基礎年金など年金給付全般に適用される考え方です。④は誤りです。選択は受給権者本人の意思に基づいて行われるものであり、自動的に高い方が支給されるわけではありません。
問28-8

老齢基礎年金と老齢厚生年金の併給関係に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①老齢基礎年金と老齢厚生年金は、1人1年金の原則により、いずれか一方しか受給できない。
  • ②老齢基礎年金と老齢厚生年金は、1人1年金の原則の例外として実際に併せて受給できる。
  • ③老齢基礎年金を選択すると、老齢厚生年金の受給権そのものが消滅してしまうとされる。
  • ④老齢厚生年金を受給するためには、老齢基礎年金の受給権を放棄しなければならない。
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正解 ②老齢基礎年金と老齢厚生年金は、1人1年金の原則の例外として実際に併せて受給できる。
解説
老齢厚生年金は老齢基礎年金に上乗せして支給される報酬比例部分としての性格を持つため、1人1年金の原則の例外として、両者を併せて受給することが認められています。同様の考え方は障害基礎年金と障害厚生年金、遺族基礎年金と遺族厚生年金の組み合わせにも当てはまります。

他の選択肢が誤りの理由
①は誤りです。両者は例外的に併給が認められている組み合わせです。③は誤りです。老齢基礎年金を選択しても老齢厚生年金の受給権自体が消滅するものではなく、そもそも選択の対象にすらなりません。④は誤りです。老齢厚生年金を受給するために老齢基礎年金の受給権を放棄する必要はありません。
問38-8

障害基礎年金と他の年金給付との併給調整に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①障害基礎年金は、同一の障害を支給事由とする障害厚生年金とあわせて受給することができる。
  • ②障害基礎年金を受給している者は、支給事由を問わず他の年金を併せて受給することはできない。
  • ③障害基礎年金と老齢厚生年金は、支給事由を問わず併給が認められるとされている。
  • ④障害基礎年金を受給していると、将来の老齢基礎年金の受給権を取得できなくなる。
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正解 ①障害基礎年金は、同一の障害を支給事由とする障害厚生年金とあわせて受給することができる。
解説
障害基礎年金と、同一の傷病を支給事由とする障害厚生年金は、基礎年金と厚生年金保険の上乗せ関係にあることから、1人1年金の原則の例外として併せて受給することが認められています。

他の選択肢が誤りの理由
②は誤りです。障害基礎年金と障害厚生年金のように、例外的に併給が認められる組み合わせがあります。③は誤りです。障害基礎年金と老齢厚生年金の併給は、一定の要件のもとで認められる場合はあるものの「支給事由を問わず常に」認められるわけではなく、原則は選択制です。④は誤りです。障害基礎年金の受給と老齢基礎年金の受給権の取得は別の問題であり、要件を満たせば65歳以降に老齢基礎年金の受給権を取得すること自体は可能です。
問48-8

年金給付を受ける権利の消滅時効に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①年金を受ける権利には消滅時効はなく、いつまでも請求することができる。
  • ②支分権(支給期の到来した年金を受ける権利)は、原則5年で時効消滅する。
  • ③年金を受ける権利の消滅時効の期間は、種類を問わず一律2年と定められている。
  • ④基本権(年金の受給権そのもの)には、時効の制度が一切適用されないとされる。
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正解 ②支分権(支給期の到来した年金を受ける権利)は、原則5年で時効消滅する。
解説
年金給付を受ける権利のうち、既に支払期が到来した個々の年金を受ける権利(支分権)は、5年間行使しないときは時効によって消滅します。基本権(年金の受給権そのもの)についても時効消滅の制度がありますが、支分権とは別に扱われます。

他の選択肢が誤りの理由
①は誤りです。年金を受ける権利にも消滅時効の制度が設けられています。③は誤りです。時効期間は一律2年ではなく、原則5年です。④は誤りです。基本権についても一定の場合に時効消滅の制度が適用されます。
問58-8

国民年金の給付に関する処分に不服がある場合の審査請求制度に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①審査請求の期間には制限がなく、いつでも請求することができる。
  • ②不服がある場合、審査請求を経ずに直接取消訴訟を提起しなければならない。
  • ③処分を知った日の翌日から3か月以内に、社会保険審査官へ審査請求できる。
  • ④国民年金の審査請求は、市区町村長に対して行うものとされている。
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正解 ③処分を知った日の翌日から3か月以内に、社会保険審査官へ審査請求できる。
解説
国民年金の給付に関する処分に不服がある者は、処分があったことを知った日の翌日から起算して3か月以内に、地方厚生局等に置かれた社会保険審査官に対して審査請求をすることができます。

他の選択肢が誤りの理由
②は誤りです。年金に関する処分の取消訴訟は、審査請求に対する決定を経た後でなければ提起できないとする審査請求前置の仕組みが採られています。①は誤りです。審査請求には3か月以内という期間制限があります。④は誤りです。審査請求の相手方は市区町村長ではなく社会保険審査官です。
問68-8

社会保険審査官の決定に対してさらに不服がある場合の再審査請求制度に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①再審査請求の制度は国民年金には設けられておらず、厚生年金保険にのみ存在する。
  • ②再審査請求は、社会保険審査官に対して再度同じ内容で審査請求をすることをいう。
  • ③再審査請求をすることができる期間は、審査請求と同じ3か月以内である。
  • ④決定書謄本送付日の翌日から2か月以内に、社会保険審査会へ再審査請求できる。
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正解 ④決定書謄本送付日の翌日から2か月以内に、社会保険審査会へ再審査請求できる。
解説
社会保険審査官の決定になお不服がある者は、決定書の謄本が送付された日の翌日から起算して2か月以内に、厚生労働省に置かれた社会保険審査会に対して再審査請求をすることができます。審査請求(第一審)、再審査請求(第二審)という二審制が採られています。

他の選択肢が誤りの理由
②は誤りです。再審査請求は社会保険審査官ではなく上級の機関である社会保険審査会に対して行うものです。③は誤りです。再審査請求の期間は2か月以内であり、審査請求の3か月以内とは異なります。①は誤りです。再審査請求の制度は国民年金にも設けられています。
問78-8

国民年金の年金給付を受ける権利(受給権)の保護に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①年金を受ける権利は、国税の滞納処分による場合を含め、差押えの対象とならない保護を受ける。
  • ②年金を受ける権利は、財産権の一種であるから、自由に譲渡し又は担保に供することができる。
  • ③年金を受ける権利は、租税その他の公課を課すことができないという保護は受けない。
  • ④年金を受ける権利は、原則として譲渡し、担保に供し、又は差し押さえることができない。
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正解 ④年金を受ける権利は、原則として譲渡し、担保に供し、又は差し押さえることができない。
解説
年金給付を受ける権利は、受給権者本人及びその家族の生活を保障するためのものであることから、原則として譲渡・担保供与・差押えが禁止されています。ただし、国税滞納処分による差押えなど、法令に別段の定めがある場合は例外として認められています。

他の選択肢が誤りの理由
②は誤りです。年金を受ける権利は自由に譲渡・担保供与できるものではなく、原則として禁止されています。③は誤りです。租税その他の公課を課さないという租税上の保護(非課税の取扱いなど一定の場合)も別途設けられています。①は誤りです。差押え禁止には法令に別段の定めがある場合という例外があり、絶対的な保護ではありません。
問88-8

国民年金の給付における不正利得の徴収に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①不正利得の徴収の対象となるのは、給付を行った実施機関に所属する職員に限られる。
  • ②不正な手段で給付を受けたとしても、支払われた年金を返還させる制度は存在しない。
  • ③偽り等の不正手段で給付を受けた者からは、給付相当額の全部又は一部を徴収できる。
  • ④不正利得の徴収については、刑事罰が確定した場合に限り行うことができる制度である。
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正解 ③偽り等の不正手段で給付を受けた者からは、給付相当額の全部又は一部を徴収できる。
解説
偽りその他不正の手段により給付を受けた者に対しては、その給付に要した費用に相当する金額の全部又は一部を徴収することができる規定が設けられています。適正な給付を確保するための仕組みです。

他の選択肢が誤りの理由
②は誤りです。不正受給があった場合には返還させる(徴収する)制度が設けられています。①は誤りです。不正利得の徴収の対象となるのは不正に給付を受けた受給者側であり、実施機関の職員を対象とするものではありません。④は誤りです。不正利得の徴収は行政上の措置であり、刑事罰の確定を前提とするものではありません。
問98-8

国民年金の給付を受ける権利の裁定に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①年金給付は、要件を満たした時点で請求を経ずとも自動的に支給が開始される。
  • ②年金給付は、受給権者の請求に基づき実施機関の裁定により支給が開始される。
  • ③裁定は、被保険者が保険料を全額納付した場合にのみ必要な手続とされている。
  • ④裁定を受けた後は、年金額の誤りが判明しても訂正されることはないとされる。
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正解 ②年金給付は、受給権者の請求に基づき実施機関の裁定により支給が開始される。
解説
国民年金の給付は、要件に該当するだけでは支給されず、受給権者の請求に基づいて実施機関(日本年金機構等)が裁定を行うことにより、具体的な支給が開始される仕組みになっています。

他の選択肢が誤りの理由
①は誤りです。要件を満たしても請求(裁定請求)をしなければ支給は開始されません。③は誤りです。裁定は保険料を全額納付した場合に限らず、免除期間を含む場合など、支給対象となるすべての年金給付について必要な手続です。④は誤りです。裁定後に誤りが判明した場合は、必要に応じて訂正・改定が行われます。
問108-8

国民年金の保険料その他徴収金の還付・充当に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①誤って納め過ぎた保険料があるときは、還付を受けることができる仕組みが設けられている。
  • ②誤って納め過ぎた保険料は、還付の対象とはならず、そのまま国庫に帰属するとされている。
  • ③納め過ぎた保険料は、還付ではなく将来の保険料に充当されなければならない。
  • ④保険料の還付を請求できる期間には、時効による制限が設けられていないとされる。
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正解 ①誤って納め過ぎた保険料があるときは、還付を受けることができる仕組みが設けられている。
解説
二重納付や過誤納など、誤って保険料を納め過ぎた場合には、その過納分について還付を受けることができる仕組みが設けられています。徴収金に関する権利義務についても適正な清算が図られています。

他の選択肢が誤りの理由
②は誤りです。納め過ぎた保険料はそのまま国庫に帰属するのではなく、還付の対象となります。③は誤りです。還付を受けるか将来の保険料に充当するかは扱いが分かれ得るものであり、必ず充当しなければならないというものではありません。④は誤りです。還付を受ける権利についても、他の徴収金に関する権利と同様に消滅時効の制度が適用されます。

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