2026年版・7-8

離婚時の年金分割制度の一問一答

社会保険労務士(社労士)「厚生年金保険法」から、離婚時の年金分割制度に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問17-8

離婚時の年金分割制度における合意分割に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①合意分割という制度は、当事者の一方からの請求のみで、相手方の同意が特になくても成立する制度である。
  • ②合意分割という制度において当事者間で定めることができる按分割合の上限は、100分の30である。
  • ③合意分割の対象となるのは、その国民年金の第1号被保険者期間中の保険料納付記録のみであるものとされている。
  • ④合意分割は、当事者の合意又は裁判所の決定により、按分割合を100分の50を上限として定める制度である。
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正解 ④合意分割は、当事者の合意又は裁判所の決定により、按分割合を100分の50を上限として定める制度である。
解説
合意分割は、当事者間の合意、又は合意が調わない場合には裁判所の手続(調停・審判・裁判等)により、婚姻期間中の標準報酬の按分割合を定める制度です。按分割合は100分の50(2分の1)を上限として定められます。

他の選択肢が誤りの理由
①は誤りです。合意分割は当事者の合意又は裁判所の決定を必要とし、一方からの請求のみで相手方の同意なく成立するものではありません(3号分割との違いです)。②は誤りです。按分割合の上限は100分の30ではなく100分の50です。③は誤りです。合意分割の対象は厚生年金保険の標準報酬であり、国民年金第1号被保険者期間の保険料納付記録は対象ではありません。
問27-8

離婚時の年金分割制度における3号分割に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①3号分割は、当事者双方の合意がなければ、いかなる場合でも決して請求することができないものとされている。
  • ②3号分割は、第3号被保険者であった期間について、相手方の合意を要せずに2分の1ずつ分割する制度である。
  • ③3号分割という制度は、按分割合を当事者の話し合いにより自由に決定できる、合意分割と同種の制度である。
  • ④3号分割は、第2号被保険者であった期間についてのみ適用され、第3号被保険者期間は対象外である。
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正解 ②3号分割は、第3号被保険者であった期間について、相手方の合意を要せずに2分の1ずつ分割する制度である。
解説
3号分割は、婚姻期間中に国民年金の第3号被保険者であった期間について、相手方(第2号被保険者であった配偶者)の合意を得ることなく、当事者の一方からの請求により2分の1ずつ標準報酬を分割することができる制度です。

他の選択肢が誤りの理由
①は誤りです。3号分割は相手方の合意を要しない点が特徴であり、合意分割とは異なります。③は誤りです。3号分割の按分割合は2分の1に固定されており、当事者が自由に決定できるものではありません。④は誤りです。3号分割の対象は第3号被保険者であった期間であり、第2号被保険者期間のみが対象という説明は逆です。
問37-8

3号分割の対象となる期間に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①3号分割の対象となるのは、婚姻期間中のすべての第3号被保険者期間であり、期間の始期に制限はない。
  • ②3号分割の対象となるのは、平成15年4月以後の第3号被保険者期間に限られるものとされている。
  • ③3号分割の対象となるのは、平成20年4月以後の第3号被保険者期間に限られるものとされている。
  • ④3号分割の対象となるのは、平成9年4月以後の第3号被保険者期間に限られるものとされている。
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正解 ③3号分割の対象となるのは、平成20年4月以後の第3号被保険者期間に限られるものとされている。
解説
3号分割の制度は平成20年4月に施行されたため、対象となるのは平成20年4月1日以後の第3号被保険者期間に限られます。それより前の期間については、3号分割の対象とはならず、合意分割の対象となり得るにとどまります。

他の選択肢が誤りの理由
①は誤りです。3号分割の対象期間には平成20年4月以後という始期の制限があります。②は誤りです。平成15年4月ではなく平成20年4月が正しい始期です。④は誤りです。平成9年4月ではなく平成20年4月が正しい始期です。
問47-8

離婚時の年金分割の請求期限に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①年金分割の請求期限は、原則として離婚をした日の翌日から起算して5年以内とされている(経過措置により2年の場合もある)。
  • ②年金分割の請求期限は、離婚をした日の翌日から起算しておよそ10年以内であると実務上も法律上明確に厳しく定められている。
  • ③年金分割の請求には期限が全く設けられておらず、離婚が成立した後は誰でもいつでも自由に請求することができる。
  • ④年金分割の請求期限は、離婚をした日の翌日から起算してわずか6か月以内であると実務上も法律上定められている。
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正解 ①年金分割の請求期限は、原則として離婚をした日の翌日から起算して5年以内とされている(経過措置により2年の場合もある)。
解説
離婚時の年金分割の請求期限は、令和8年(2026年)4月1日以後に離婚等をした場合、原則として離婚等をした日の翌日から起算して5年以内とされています。なお、それより前に離婚等をした場合は、改正前の期限である2年以内が適用される経過措置があります。

他の選択肢が誤りの理由
②は誤りです。請求期限は10年以内ではありません。③は誤りです。請求には期限が設けられており、いつでも自由に請求できるわけではありません。④は誤りです。請求期限は6か月以内ではありません。
問57-8

離婚時の年金分割に関する情報提供請求に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①情報提供請求は、離婚の届出が役所において正式に受理され離婚が確実に成立した後でなければ、行うことができない制度である。
  • ②情報提供請求は、離婚を検討している段階でも、婚姻期間中の対象期間や按分割合の範囲等の情報を得るために行うことができる。
  • ③情報提供請求を行うと、当事者双方の合意を経ずとも、その時点で標準報酬の改定の効力が直ちに生じる仕組みとなっている。
  • ④情報提供請求は、当事者双方が必ず同時に窓口へ出向いて共同で手続きを行わなければ受理されない仕組みとなっている。
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正解 ②情報提供請求は、離婚を検討している段階でも、婚姻期間中の対象期間や按分割合の範囲等の情報を得るために行うことができる。
解説
年金分割のための情報提供請求は、離婚が成立する前の検討段階であっても、対象期間や按分割合の範囲などの必要な情報を日本年金機構等から取得するために行うことができます。

他の選択肢が誤りの理由
①は誤りです。離婚成立前であっても情報提供請求を行うことができます。③は誤りです。情報提供請求はあくまで情報の取得にとどまり、それ自体によって標準報酬の改定の効力が生じるものではありません。④は誤りです。情報提供請求は当事者の一方のみからでも行うことができます。
問67-8

離婚時の年金分割における標準報酬改定請求の効果に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①標準報酬改定請求の効果は、婚姻期間中の過去にさかのぼって年金の受給額をすべて再計算し直すものだともされる。
  • ②標準報酬改定請求の効果というものは、離婚した当事者双方の老齢基礎年金の額を直接改定するものとされている。
  • ③標準報酬改定請求の効果というものは、請求した当事者の一方にのみ生じ、相手方には何の影響も及ぼさない。
  • ④標準報酬改定請求の効果は、対象期間の標準報酬を改定し、将来の老齢厚生年金の額の計算に反映させるものである。
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正解 ④標準報酬改定請求の効果は、対象期間の標準報酬を改定し、将来の老齢厚生年金の額の計算に反映させるものである。
解説
標準報酬改定請求(年金分割の請求)が認められると、対象期間における当事者双方の標準報酬が改定され、その改定後の記録に基づいて将来の老齢厚生年金の額が計算されることになります。

他の選択肢が誤りの理由
①は誤りです。過去の年金受給額をさかのぼって再計算するものではなく、将来の年金額の計算に反映されるものです。②は誤りです。改定の対象は厚生年金保険の標準報酬(老齢厚生年金の計算基礎)であり、老齢基礎年金の額を直接改定するものではありません。③は誤りです。標準報酬の改定は当事者双方の記録に影響を及ぼすものであり、請求した一方にのみ生じるものではありません。
問77-8

合意分割と3号分割の関係に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①対象期間の中に3号分割の対象となる期間が含まれる場合、合意分割と3号分割を併せて請求することができる。
  • ②合意分割の請求をした場合、その対象期間に3号分割の対象期間が含まれていても、3号分割は適用されない。
  • ③3号分割の請求をした場合、その後は合意分割を重ねて請求することが一切認められていないとされる。
  • ④合意分割と3号分割という2つの制度は、いずれか一方のみを選択しなければならず、併用は認められていない。
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正解 ①対象期間の中に3号分割の対象となる期間が含まれる場合、合意分割と3号分割を併せて請求することができる。
解説
対象期間の中に平成20年4月以後の第3号被保険者期間が含まれる場合、その期間については3号分割により当然に2分の1ずつ分割され、それ以外の期間については合意分割の対象として、両制度を併せて請求することができます。

他の選択肢が誤りの理由
②は誤りです。合意分割を請求しても、対象期間に含まれる3号分割対象期間については3号分割が別途適用されます。③は誤りです。3号分割の請求をしても、それ以外の期間について合意分割を請求することは可能です。④は誤りです。合意分割と3号分割は排他的な選択肢ではなく、要件を満たせば併用することができます。
問87-8

離婚時の年金分割の対象となるものに関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①年金分割の対象となるのは、老齢基礎年金の額そのものであり、厚生年金の標準報酬は対象とならない。
  • ②年金分割の対象となるのは、婚姻期間の前後を問わず、被保険者であった期間全体を通じたすべての標準報酬である。
  • ③年金分割の対象となるのは、婚姻期間中における厚生年金保険の標準報酬(標準報酬月額及び標準賞与額)である。
  • ④年金分割の対象となるのは、離婚の時点で既に実際に受給中の年金の現金給付そのものであるとされている。
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正解 ③年金分割の対象となるのは、婚姻期間中における厚生年金保険の標準報酬(標準報酬月額及び標準賞与額)である。
解説
離婚時の年金分割の対象となるのは、婚姻期間中における厚生年金保険の標準報酬、すなわち標準報酬月額及び標準賞与額の記録です。この記録を分割することにより、将来の老齢厚生年金の額に反映されます。

他の選択肢が誤りの理由
①は誤りです。分割の対象は老齢基礎年金の額そのものではなく、厚生年金保険の標準報酬です。②は誤りです。分割の対象は婚姻期間中の標準報酬に限られ、婚姻期間外は対象になりません。④は誤りです。分割の対象は標準報酬の記録であり、既に支給されている年金の現金給付そのものではありません。
問97-8

離婚時の年金分割における按分割合に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①按分割合という数値は、100分の50に固定されており、当事者が別の割合を定める余地はない。
  • ②按分割合という数値は、婚姻期間の長短のみによって機械的にのみ算出され、当事者の意思は反映されない。
  • ③按分割合の下限は、分割される側の対象期間標準報酬総額を必ずゼロとする割合であるとされている。
  • ④按分割合の下限は、分割前の第2号改定者(多い方)の対象期間標準報酬総額に係る持分割合を下回らない。
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正解 ④按分割合の下限は、分割前の第2号改定者(多い方)の対象期間標準報酬総額に係る持分割合を下回らない。
解説
按分割合には下限が設けられており、分割前の第2号改定者(対象期間標準報酬総額が多い方の当事者)がもともと有していた持分割合を下回ることはできません。これにより、分割によって多い方の持分がかえって少ない方を下回るような結果にはなりません。

他の選択肢が誤りの理由
①は誤りです。按分割合は100分の50を上限として当事者の合意等により定めることができ、常に固定されているわけではありません。②は誤りです。按分割合は婚姻期間の長短のみで機械的に算出されるものではなく、当事者の合意や裁判所の判断によります。③は誤りです。按分割合の下限は分割される側の総額をゼロとするものではなく、分割前の持分割合を下回らないというものです。
問107-8

離婚時の年金分割による標準報酬の改定が年金額に反映される時期に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①分割による標準報酬の改定は、改定請求をした日から即座に、過去にさかのぼって年金受給額に反映される。
  • ②分割による標準報酬の改定は将来に向かって効力を生じ、将来受給する老齢厚生年金の額の計算に反映される。
  • ③分割による標準報酬の改定は、当事者双方が65歳に達した時点で一括して反映される仕組みだとされている。
  • ④分割による標準報酬の改定は、離婚した時点で既に受給中であった年金額には、何ら影響を及ぼすことがない。
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正解 ②分割による標準報酬の改定は将来に向かって効力を生じ、将来受給する老齢厚生年金の額の計算に反映される。
解説
年金分割による標準報酬の改定は将来に向かって効力を生じるものであり、改定後に記録された標準報酬に基づいて、将来受給する(又は既に受給中の年金額の今後の支払分に反映される)老齢厚生年金の額が計算されます。

他の選択肢が誤りの理由
①は誤りです。改定は将来に向かって効力を生じるものであり、過去の年金受給額をさかのぼって反映するものではありません。③は誤りです。65歳到達を待たずに標準報酬は改定され、将来の年金額計算に反映されます。④は誤りです。既に年金を受給している場合でも、改定後の記録に基づいて今後の支払分の年金額に影響が及びます。

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