2026年版・6-7

保険給付の通則・不服申立ての一問一答

社会保険労務士(社労士)「健康保険法」から、保険給付の通則・不服申立てに関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問16-7

健康保険の第三者行為による傷病に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  • ①第三者の行為による傷病については、健康保険から保険給付を受けることはできないとする。
  • ②保険者は、保険給付を行ったとき、その価額の限度で被保険者の損害賠償請求権を取得する。
  • ③保険給付を受けるために、加害者との示談の成立が法律上の要件とされることはない。
  • ④保険者が代位取得する請求権は、治療費等の給付に対応する部分に限られるとされる。
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正解 ①第三者の行為による傷病については、健康保険から保険給付を受けることはできないとする。
解説
交通事故など第三者の加害行為によって生じた傷病についても健康保険から保険給付を受けることができます。この場合、保険者は給付を行った価額の限度において、被保険者が加害者(第三者)に対して有する損害賠償請求権を代位取得し、被保険者が保険給付と損害賠償の双方から二重に利得することを防ぐ仕組みになっています。

他の選択肢が正しい理由
②は保険者が給付の価額の限度で損害賠償請求権を代位取得するという正しい説明です。③は示談の成立が保険給付の法律上の要件とはされていないという正しい説明です。④は保険者が代位取得する請求権が治療費等の給付に対応する部分に限られるという正しい説明です。
問26-7

健康保険の保険給付と労働者災害補償保険の給付との調整に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①健康保険と労働者災害補償保険は、同一傷病について被災者の選択で常に重複給付を受けられる。
  • ②業務災害及び通勤災害については、原則として労働者災害補償保険からの給付が行われるとする。
  • ③労働者災害補償保険の対象とならない業務外の傷病についても、健康保険からの給付は行われない。
  • ④誤って労災給付の対象となる傷病に健康保険給付を受けても、事後精算の手続きは不要とされる。
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正解 ②業務災害及び通勤災害については、原則として労働者災害補償保険からの給付が行われるとする。
解説
健康保険は業務災害以外の事由による傷病等を対象とする制度であり、業務災害・通勤災害については労働者災害補償保険が給付を行うため、両制度は対象範囲を分担する関係にあります。同一の傷病について両制度から二重に給付を受けることはできません。

他の選択肢が誤りの理由
①は両制度が対象範囲を分担しており、被災者が任意に選択して二重取りできる制度ではないため誤りです。③は業務外の傷病(労災の対象とならないもの)には健康保険から給付が行われるため誤りです。④は誤って健康保険給付を受けた場合には事後精算の手続きが必要になるため誤りです。
問36-7

健康保険の保険給付を受ける権利の保護に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①保険給付を受ける権利は、被保険者の意思によっても、第三者に譲渡することができない。
  • ②保険給付を受ける権利は、被保険者の自由な意思により、第三者に譲渡することができる。
  • ③保険給付を受ける権利は、租税滞納処分の対象としていつでも差し押さえることができる。
  • ④保険給付を受ける権利は、被保険者の債権者による差押えの対象として常に認められている。
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正解 ①保険給付を受ける権利は、被保険者の意思によっても、第三者に譲渡することができない。
解説
健康保険法は、保険給付を受ける権利について、譲渡すること及び担保に供することを法律上禁止しています。これは、療養費や傷病手当金等の給付が被保険者やその家族の生活を支えるための重要な給付であることを踏まえ、その受給権を確実に本人に帰属させ、生活保障の実効性を確保するための規定であり、被保険者本人の意思によっても譲渡はできません。

他の選択肢が誤りの理由
②は保険給付を受ける権利は法律上譲渡が禁止されているため、被保険者の自由な意思による譲渡も認められないため誤りです。③④はいずれも保険給付を受ける権利が原則として差押え等の対象とならないことを保障する趣旨に反する記述であり誤りです。
問46-7

健康保険の不正利得の徴収に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  • ①偽りその他不正の行為によって保険給付を受けた者から、給付価額の全部又は一部を徴収できる。
  • ②事業主の虚偽報告により保険給付が行われたときは、事業主にも連帯して徴収金を納付させ得る。
  • ③保険医療機関の不正な診療報酬請求により保険給付が行われたときも、徴収の対象となり得るとされる。
  • ④不正利得の徴収は、被保険者本人の故意による不正の場合にのみ認められる制度だとされている。
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正解 ④不正利得の徴収は、被保険者本人の故意による不正の場合にのみ認められる制度だとされている。
解説
健康保険法は、被保険者本人が偽りその他不正の行為により保険給付を受けた場合だけでなく、事業主の虚偽の報告や保険医療機関等の不正な請求によって保険給付が行われた場合についても、それぞれ徴収の対象とする規定を設けています。事業主が原因となった場合には、事業主と被保険者が連帯して徴収金を納付する義務を負うこともあります。

他の選択肢が正しい理由
①は被保険者本人の不正受給に対する徴収に関する正しい説明です。②は事業主の虚偽報告による場合の連帯徴収に関する正しい説明です。③は保険医療機関等の不正請求による場合の徴収に関する正しい説明です。
問56-7

健康保険の保険給付を受ける権利の消滅時効に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  • ①保険給付を受ける権利は、これを行使できる時から2年を経過すると時効により消滅する。
  • ②保険給付を受ける権利の消滅時効期間は、給付の種類を問わず原則として2年とされている。
  • ③保険給付を受ける権利についての消滅時効期間は、法律上は5年であるとされている。
  • ④傷病手当金の消滅時効は、労務不能であった日ごとにその翌日から起算される。
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正解 ③保険給付を受ける権利についての消滅時効期間は、法律上は5年であるとされている。
解説
健康保険法上の保険給付を受ける権利(療養費、傷病手当金、出産手当金、埋葬料等の請求権)は、権利を行使することができる時から2年間行使しないときは、時効によって消滅します。5年ではなく2年である点に注意が必要です。

他の選択肢が正しい理由
①は消滅時効期間が2年であるという正しい説明です。②は給付の種類にかかわらず原則として2年に統一されているという正しい説明です。④は傷病手当金の消滅時効の起算日(労務不能であった日ごとにその翌日)に関する正しい説明です。
問66-7

健康保険法における審査請求に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①審査請求は、書面のみで行わなければならず、口頭による請求は一切認められていない。
  • ②資格・標準報酬・保険給付に関する処分に不服があれば、社会保険審査官に請求できる。
  • ③審査請求は、処分を知った日の翌日から起算して、6か月以内にしなければならないとされる。
  • ④保険料の賦課に関する処分は、その性質上、審査請求の対象から除外されている。
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正解 ②資格・標準報酬・保険給付に関する処分に不服があれば、社会保険審査官に請求できる。
解説
被保険者の資格、標準報酬又は保険給付に関する処分に不服がある者は、社会保険審査官に対して審査請求をすることができます。審査請求は、原則として審査請求書を提出して行いますが、社会保険審査官が認めたときは口頭で行うことも可能です。

他の選択肢が誤りの理由
①は口頭による審査請求も社会保険審査官が認めれば可能であるため、「一切認められていない」とする記述は誤りです。③は審査請求期間は処分を知った日の翌日から起算して3か月以内であり、6か月以内ではないため誤りです。④は保険料の賦課に関する処分も審査請求の対象となり得るため誤りです。
問76-7

健康保険法における再審査請求に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  • ①再審査請求は、社会保険審査官の決定を経ずに、いつでも直ちに行うことができるとされている。
  • ②社会保険審査官の決定に不服がある者は、社会保険審査会に対し再審査請求をすることができるとされる。
  • ③再審査請求は、決定書謄本が送付された日の翌日から起算して2か月以内にしなければならない。
  • ④審査請求(第一審)と再審査請求(第二審)という二段階の不服申立て制度が設けられている。
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正解 ①再審査請求は、社会保険審査官の決定を経ずに、いつでも直ちに行うことができるとされている。
解説
再審査請求は、原則として社会保険審査官の決定を経た後に、その決定になお不服がある者が行うものです。社会保険審査官の決定を経ずに、いつでも直接社会保険審査会へ再審査請求できるわけではありません。

他の選択肢が正しい理由
②は社会保険審査官の決定に不服がある者が社会保険審査会に再審査請求できるという正しい説明です。③は再審査請求の期間(決定書謄本が送付された日の翌日から2か月以内)に関する正しい説明です。④は審査請求・再審査請求という二段階の不服申立て制度に関する正しい説明です。
問86-7

健康保険法における審査請求前置主義に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①処分に不服がある者は、審査請求を経ることなく、直接裁判所に取消訴訟を提起しなければならない。
  • ②資格に関する処分の取消訴訟は、原則として審査請求に対する決定を経た後でなければ提起できない。
  • ③審査請求前置主義は、保険給付に関する処分のみに適用され、標準報酬には適用されない。
  • ④審査請求前置主義のもとでは、必ず再審査請求まで経なければ訴訟を提起できないとされる。
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正解 ②資格に関する処分の取消訴訟は、原則として審査請求に対する決定を経た後でなければ提起できない。
解説
健康保険法上、被保険者の資格、標準報酬又は保険給付に関する処分の取消しの訴えは、原則として当該処分についての審査請求に対する社会保険審査官の決定を経た後でなければ提起することができないとされています(審査請求前置主義)。行政の専門的な審査機関による判断を先に経ることで、紛争の実効的かつ効率的な解決を図る趣旨です。

他の選択肢が誤りの理由
①は審査請求前置主義のもとでは原則として審査請求を経ることが訴訟提起の前提とされているため、直接訴訟を提起しなければならないとする記述は逆であり誤りです。③は審査請求前置主義が被保険者資格・標準報酬・保険給付に関する処分に共通して適用されるため誤りです。④は再審査請求まで経ることは訴訟提起の絶対要件ではなく、審査請求に対する決定を経れば訴訟提起が可能であるため誤りです。
問96-7

健康保険法における保険者の質問及び検査権に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  • ①保険者は、必要があると認めるときは、被保険者であった者に文書提出を求めることができる。
  • ②保険者は、保険給付に関して必要があると認めるときは、受診を命じ又は職員に質問させ得るとされる。
  • ③被保険者が正当な理由なく質問又は診断を拒んだときは、給付の全部若しくは一部を行わないことがある。
  • ④保険者による質問検査権は、被保険者本人にのみ及び、事業主に対しては行使できないとされる。
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正解 ④保険者による質問検査権は、被保険者本人にのみ及び、事業主に対しては行使できないとされる。
解説
保険者は、被保険者や被保険者であった者だけでなく、事業主に対しても、被保険者の資格や報酬に関する報告をさせ、又は文書の提出を命じることができます。事業主は被保険者に関する届出義務を負う立場にあるため、保険者の調査権限は事業主にも及びます。

他の選択肢が正しい理由
①は被保険者であった者に対する文書提出要求に関する正しい説明です。②は保険給付に関する受診命令・質問権に関する正しい説明です。③は正当な理由のない質問・診断拒否の場合の給付制限に関する正しい説明です。
問106-7

健康保険法における保険給付の種類に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  • ①法定給付には、療養の給付や傷病手当金等があり、すべての保険者が行わなければならない。
  • ②健康保険組合は、規約の定めにより、法定給付に加えて付加給付を行うことができる。
  • ③付加給付の内容は、法律によって全国一律の金額があらかじめ定められているとされる。
  • ④全国健康保険協会管掌健康保険では、原則として付加給付は行われないとされている。
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正解 ③付加給付の内容は、法律によって全国一律の金額があらかじめ定められているとされる。
解説
付加給付の内容は、各健康保険組合が規約で個別に定めるものであり、法律で全国一律の金額が定められているわけではありません。財政状況等に応じて組合ごとに内容が異なる点が付加給付の特徴です。

他の選択肢が正しい理由
①は法定給付(療養の給付や傷病手当金等)がすべての保険者に義務付けられているという正しい説明です。②は健康保険組合が規約の定めにより付加給付を行うことができるという正しい説明です。④は全国健康保険協会管掌健康保険では原則として付加給付が行われないという正しい説明です。

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