2026年版・6-1

健康保険法 総則・適用事業所・被保険者の一問一答

社会保険労務士(社労士)「健康保険法」から、総則・適用事業所・被保険者に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問16-1

健康保険法の目的に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①労働者又はその被扶養者の業務災害以外の疾病、負傷、死亡、出産に関し保険給付を行うことを目的とする。
  • ②労働者又はその被扶養者の業務上の負傷、疾病、障害又は死亡に関して迅速な保護を行うことを目的とする。
  • ③被保険者本人に限り、業務外の事由による疾病、負傷又は死亡に関して保険給付を行うことを目的とする。
  • ④国民の健康の保持増進のため、疾病の予防及び早期発見に関する保健事業を行うことを主たる目的とする。
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正解 ①労働者又はその被扶養者の業務災害以外の疾病、負傷、死亡、出産に関し保険給付を行うことを目的とする。
解説
健康保険法第1条は、労働者又はその被扶養者の業務災害以外の疾病、負傷若しくは死亡又は出産に関して保険給付を行い、もって国民の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的とすると規定しています。業務上の災害は労働者災害補償保険法(労災保険法)の対象となるため、健康保険法はそれ以外(業務外・通勤災害を除く)の事由をカバーする制度として位置づけられています。

他の選択肢が誤りの理由
②は労働者災害補償保険法の目的に関する記述であり、健康保険法の目的ではありません。③は「業務外の事由」という限定は正しい方向性ですが「出産」が抜けており、目的規定として不完全です。④は健康増進事業(保健事業)は健康保険組合等が任意に行う付随的な事業であり、法目的そのものの説明としては誤りです。
問26-1

健康保険の保険者に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  • ①全国健康保険協会管掌健康保険の保険者は、全国健康保険協会である。
  • ②組合管掌健康保険における保険者は、当該の健康保険組合であるとされている。
  • ③健康保険の保険者は、全国健康保険協会及び健康保険組合の二種類のみである。
  • ④健康保険組合が未設立の適用事業所の被保険者は、常に国が直接管掌する。
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正解 ④健康保険組合が未設立の適用事業所の被保険者は、常に国が直接管掌する。
解説
健康保険組合が設立されていない適用事業所の被保険者が加入する健康保険(いわゆる協会けんぽ)の保険者は、全国健康保険協会です。全国健康保険協会が設立された平成20年10月以前は、国(政府)が保険者として直接管掌していました(政府管掌健康保険)が、現在はこの管掌権限が全国健康保険協会という国とは別の法人に移されており、「国が直接管掌する」という記述は現行制度と一致しないため誤りです。厚生労働大臣は全国健康保険協会に対する監督権限を有しますが、保険者そのものは全国健康保険協会です。

他の選択肢が正しい理由
①は全国健康保険協会管掌健康保険の保険者が全国健康保険協会であるという正しい説明です。②は組合管掌健康保険の保険者が当該健康保険組合であるという正しい説明です。③は健康保険法上の保険者が全国健康保険協会及び健康保険組合の二者のみであるという正しい説明です。
問36-1

法人の事業所に係る健康保険の強制適用事業所に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①常時5人以上の従業員を使用する法人の事業所に限り、強制適用事業所となる。
  • ②事業主のみで、従業員を使用しない法人の事業所は、強制適用事業所とはならない。
  • ③常時従業員を使用する法人の事業所は、業種・人数を問わず強制適用事業所となる。
  • ④農業を営む法人の事業所は、その業種の性質上、任意適用事業所として扱われる。
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正解 ③常時従業員を使用する法人の事業所は、業種・人数を問わず強制適用事業所となる。
解説
健康保険法第3条第3項は、国、地方公共団体又は法人の事業所であって常時従業員を使用するものを強制適用事業所と定めています。法人の事業所については、業種や従業員数による制限がなく、代表者一人のみの法人であっても、その代表者が法人から労務の対償として報酬を受けていれば強制適用事業所となり、原則として代表者自身も被保険者となります。

他の選択肢が誤りの理由
①は個人事業所における法定業種の人数要件(常時5人以上)と混同した誤りです。法人事業所には人数要件がありません。②は代表者一人の法人であっても、報酬を受けて労務に従事する実態があれば強制適用事業所となり得るため誤りです。④は農業を含む第一次産業は個人事業所であれば非適用業種となり得ますが、法人形態であれば業種を問わず強制適用事業所となるため誤りです。
問46-1

個人の事業所に係る健康保険の強制適用事業所に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  • ①法定の適用業種に該当し、常時5人以上の従業員を使用する個人の事業所は、強制適用事業所となる。
  • ②農業、漁業等の第一次産業を営む個人の事業所は、従業員数にかかわらず強制適用事業所となる。
  • ③旅館、飲食店等の接客娯楽業を営む個人の事業所は、法定の適用業種に含まれていない。
  • ④弁護士、税理士等の法務に関する事業を営む個人の事業所は、令和4年10月から適用業種となった。
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正解 ②農業、漁業等の第一次産業を営む個人の事業所は、従業員数にかかわらず強制適用事業所となる。
解説
農業、林業、水産業、畜産業等の第一次産業を営む個人の事業所は、健康保険法が定める法定適用業種に含まれておらず、常時使用する従業員数にかかわらず強制適用事業所とはなりません。これらの事業所を適用事業所とするには、任意適用の手続き(被保険者となるべき者の2分の1以上の同意を得て厚生労働大臣の認可を受けること)が必要です。

他の選択肢が正しい理由
①は法定業種等に該当し常時5人以上の従業員を使用する個人事業所が強制適用事業所となる旨の正しい説明です。③は旅館・飲食店等の接客娯楽業が法定適用業種に含まれていないという正しい説明です。④は令和4年10月の法改正により、弁護士・税理士・社会保険労務士等の士業に関する個人の事業所が新たに適用業種となったという正しい説明です。
問56-1

健康保険の任意適用事業所に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①任意適用事業所となるには、その事業所の事業主のみの判断で、厚生労働大臣に届け出れば足りる。
  • ②任意適用事業所となるには、使用される者の2分の1以上の同意及び厚生労働大臣の認可を要する。
  • ③任意適用事業所となるには、使用される者の全員の同意を得て都道府県知事の認可を受ける。
  • ④任意適用事業所は一度認可を受けると、その後いかなる場合も取り消すことができない。
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正解 ②任意適用事業所となるには、使用される者の2分の1以上の同意及び厚生労働大臣の認可を要する。
解説
強制適用事業所以外の事業所の事業主は、その事業所に使用される者(被保険者となるべき者)の2分の1以上の同意を得て、厚生労働大臣の認可を受けることにより、任意適用事業所とすることができます。認可を受けた後は、その事業所に使用される者は原則として全員が被保険者となります。逆に任意適用事業所を取り消す(適用事業所でなくなる)場合は、使用される者の4分の3以上の同意を得て厚生労働大臣の認可を受ける必要があります。

他の選択肢が誤りの理由
①は事業主のみの判断では足りず、使用される者の同意という要件が抜けているため誤りです。③は「全員の同意」「都道府県知事の認可」がいずれも誤りで、正しくは2分の1以上の同意・厚生労働大臣の認可です。④は使用される者の4分の3以上の同意を得て厚生労働大臣の認可を受ければ取り消すことができるため誤りです。
問66-1

健康保険の被保険者からの適用除外に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  • ①船員保険の被保険者は、原則として健康保険の被保険者から適用除外される。
  • ②後期高齢者医療の被保険者等は、健康保険の被保険者から適用除外される。
  • ③臨時に使用される者であって、継続して6か月を超えない見込みの者は適用除外される。
  • ④季節的業務に使用される者は、使用される期間の長さにかかわらず常に適用除外される。
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正解 ④季節的業務に使用される者は、使用される期間の長さにかかわらず常に適用除外される。
解説
季節的業務に使用される者は、継続して4か月を超えて使用される見込みがない場合に限り適用除外とされます。当初から継続して4か月を超えて使用される見込みで採用された場合は、当初から被保険者となります。「期間の長さにかかわらず常に適用除外」という記述は、この見込み期間による区別を無視しているため誤りです。

他の選択肢が正しい理由
①は船員保険の被保険者が原則として健康保険の適用除外となる旨の正しい説明です。②は75歳以上の後期高齢者医療の被保険者等が健康保険の適用除外となる旨の正しい説明です。③は臨時的事業の事業所に使用される者について、継続して6か月を超えない見込みの場合に適用除外となる旨の正しい説明です。
問76-1

短時間労働者に対する健康保険の適用に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  • ①1週間の所定労働時間が通常の労働者の4分の3以上である短時間労働者は、原則として被保険者となる。
  • ②1週間の所定労働時間が通常の労働者の4分の3未満の者は、どのような場合も被保険者になり得ない。
  • ③特定適用事業所における短時間労働者の被保険者要件には、賃金の月額に関する基準も含まれる。
  • ④短時間労働者の被保険者要件を満たすかどうかの判断において、学生か否かが考慮される場合がある。
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正解 ②1週間の所定労働時間が通常の労働者の4分の3未満の者は、どのような場合も被保険者になり得ない。
解説
1週間の所定労働時間が4分の3未満であっても、特定適用事業所等において週の所定労働時間20時間以上・賃金月額8.8万円以上・学生でない等の要件を満たせば被保険者となり得ます。「いかなる場合であっても被保険者になり得ない」と言い切るのは、この短時間労働者の適用拡大の仕組みを無視しているため誤りです。

他の選択肢が正しい理由
①は1週間の所定労働時間及び1か月の所定労働日数が通常の労働者の4分の3以上である者が原則として被保険者となるという、いわゆる4分の3基準に関する正しい説明です。③は特定適用事業所の短時間労働者の要件に賃金月額8.8万円以上という基準が含まれているという正しい説明です。④は原則として学生は適用除外とされる(卒業見込みで就職予定の者等の例外はある)ため、学生か否かが要件判断に関係するという正しい説明です。
問86-1

健康保険の適用事業所の一括に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①二以上の適用事業所の事業主が同一の場合、厚生労働大臣の承認で一の適用事業所とできる。
  • ②適用事業所の一括は、事業主の届出のみで自動的に効力が生じ、行政の承認は不要である。
  • ③適用事業所の一括が認められるのは、事業主が異なる複数の事業所を統合する場合に限られる。
  • ④適用事業所の一括を受けた事業所は、被保険者の資格取得・喪失の手続きが不要になる。
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正解 ①二以上の適用事業所の事業主が同一の場合、厚生労働大臣の承認で一の適用事業所とできる。
解説
事業主を同じくする二以上の適用事業所は、厚生労働大臣の承認を受けることにより、これを一の適用事業所とすることができます。これを事業所の一括と呼び、本社で各支店の被保険者に関する事務をまとめて処理できるようにする趣旨の制度です。承認を受けるには事業主からの申請が必要であり、自動的に効力が生じるものではありません。

他の選択肢が誤りの理由
②は厚生労働大臣の承認という行政手続きが必要であり、届出のみで自動的に効力が生じるわけではないため誤りです。③は一括が認められるのは事業主を同じくする事業所間の統合であり、事業主が異なる事業所の統合ではないため誤りです。④は一括後も被保険者の資格取得・喪失の手続き自体は必要であり、事務処理の窓口が一本化されるに過ぎないため誤りです。
問96-1

健康保険の被保険者の資格取得の時期に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①適用事業所に使用されるに至った日に、その者は被保険者の資格を取得する。
  • ②適用事業所に使用されるに至った日の翌日に、その者は被保険者の資格を取得する。
  • ③被保険者の資格取得は、事業主が資格取得届を保険者に提出した日に効力が生じる。
  • ④被保険者の資格取得は、本人が健康保険証の交付を受けた日に効力が生じる。
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正解 ①適用事業所に使用されるに至った日に、その者は被保険者の資格を取得する。
解説
健康保険の被保険者は、適用事業所に使用されるに至った日から、その資格を取得します。これは事実上の使用関係が生じた日を基準とするものであり、事業主による届出の提出日や保険証の交付日を基準とするものではありません。届出が遅れた場合でも、実際に使用されるに至った日に遡って資格取得の効力が生じます。

他の選択肢が誤りの理由
②は「翌日」ではなく「その日」に資格を取得するため誤りです。③は資格取得の効力発生日は使用されるに至った事実の日であり、届出の提出日ではないため誤りです。④は保険証の交付は資格取得の効力発生要件ではなく、資格取得後の事務手続きに過ぎないため誤りです。
問106-1

健康保険の被保険者の資格喪失の時期に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  • ①適用事業所に使用されなくなった日の翌日に、原則として被保険者の資格を喪失する。
  • ②被保険者が死亡したときは、その死亡した日の翌日において資格を喪失する。
  • ③被保険者が任意継続被保険者となる場合を除き、資格喪失に本人の同意は不要である。
  • ④被保険者が75歳に達した日の翌日に、後期高齢者医療への移行で資格を喪失する。
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正解 ④被保険者が75歳に達した日の翌日に、後期高齢者医療への移行で資格を喪失する。
解説
被保険者が75歳に達し後期高齢者医療の被保険者となった場合、健康保険の被保険者資格を喪失しますが、その効力発生日は「75歳に達した日の翌日」ではなく「75歳に達した日(誕生日当日)」です。他の多くの喪失事由(退職等)が翌日喪失であるのに対し、後期高齢者医療への移行は当日付けで資格が切り替わる特則である点が本肢の誤りにあたります。

他の選択肢が正しい理由
①は適用事業所に使用されなくなった日の翌日に資格を喪失するという、原則どおりの正しい説明です。②は死亡した日の翌日に資格を喪失するという正しい説明です。③は資格喪失は法律上当然に発生する効果であり、任意継続被保険者となる場合を除き本人の同意を要しないという正しい説明です。

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