2026年版・5-11

社会保険の不服申立て制度の一問一答

社会保険労務士(社労士)「社会保険に関する一般常識」から、社会保険の不服申立て制度に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問15-11

健康保険法における被保険者の資格、標準報酬又は保険給付に関する処分についての不服申立てを説明した次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①当該処分に不服がある者は、まず地方厚生局に置かれる社会保険審査官に対して審査請求をすることができる。
  • ②当該処分に不服がある者は、まず厚生労働省に置かれる社会保険審査会に対して審査請求をしなければならない。
  • ③当該処分に不服がある者は、審査請求を経ずに直接、処分の取消しの訴えを提起しなければならない。
  • ④当該処分に不服がある者は、都道府県に置かれる国民健康保険審査会に対して審査請求をすることができる。
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正解 ①当該処分に不服がある者は、まず地方厚生局に置かれる社会保険審査官に対して審査請求をすることができる。
解説
健康保険法上、被保険者の資格、標準報酬又は保険給付に関する処分に不服がある者は、まず各地方厚生局(地方厚生支局を含む)に置かれる社会保険審査官に対して審査請求をし、その決定になお不服がある場合に、厚生労働省に置かれる社会保険審査会に対して再審査請求をするという二審制がとられています。

他の選択肢が誤りの理由
②は一審・二審の機関が逆であり、最初に審査請求すべき先は社会保険審査官であって社会保険審査会ではありません。③は、審査請求を経ずに直接取消訴訟を提起できるとする点が誤りで、原則として審査請求に対する決定を経た後でなければ取消しの訴えを提起できません。④の国民健康保険審査会は、市町村等が行う国民健康保険の処分に対する不服申立て機関であり、健康保険法上の処分に対する不服申立て先ではありません。
問25-11

健康保険法上の被保険者の資格に関する処分についての審査請求及び再審査請求の期間に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  • ①審査請求は、原則として、原処分があったことを知った日の翌日から起算して3か月を経過したときはすることができない。
  • ②再審査請求をすることができる期間も審査請求の期間と同様に3か月であり、両者の間に期間の長短の違いは特に設けられていない。
  • ③再審査請求は、社会保険審査官の決定書の謄本が送付された日の翌日から起算して2か月を経過したときはすることができない。
  • ④審査請求をした日から2か月以内に社会保険審査官の決定がないときは、審査請求人は請求が棄却されたものとみなすことができる。
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正解 ②再審査請求をすることができる期間も審査請求の期間と同様に3か月であり、両者の間に期間の長短の違いは特に設けられていない。
解説
再審査請求をすることができる期間は、社会保険審査官の決定書の謄本が送付された日の翌日から起算して2か月であり、審査請求の期間である3か月よりも短く定められています。両者の期間は同じではありません。

他の選択肢が正しい理由
①は審査請求の期間(原処分を知った日の翌日から起算して3か月)を正しく説明しています。③は再審査請求の期間(社会保険審査官の決定書謄本送付日の翌日から起算して2か月)を正しく説明しています。④は、審査請求をした日から一定期間(2か月)を経過しても決定がないときに、審査請求人が棄却されたものとみなして次の手続に進むことができる仕組みを正しく説明しています。
問35-11

厚生年金保険の保険料の賦課又は徴収に関する処分についての不服申立てに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①当該処分に不服がある者は、被保険者資格の処分と同様、まず社会保険審査官に対して審査請求をしなければならない。
  • ②当該処分については、社会保険審査会への審査請求も再審査請求も認められておらず、直ちに取消訴訟を提起するほかない。
  • ③当該処分に不服がある者は、社会保険審査官を経ることなく、直接、社会保険審査会に対して審査請求をすることができる。
  • ④当該処分に不服がある者は、審査請求という手続を経ることなく、厚生労働大臣に対する異議申立てのみをすることができる。
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正解 ③当該処分に不服がある者は、社会保険審査官を経ることなく、直接、社会保険審査会に対して審査請求をすることができる。
解説
厚生年金保険の保険料その他の徴収金の賦課又は徴収に関する処分に不服がある者は、被保険者の資格や保険給付に関する処分の場合とは異なり、社会保険審査官への審査請求を経ることなく、直接、社会保険審査会に対して審査請求をすることができる特則が設けられています。

他の選択肢が誤りの理由
①は、保険料に関する処分にも被保険者資格等の場合と同じ二段階の手続を要するとする点が誤りです。②は、保険料に関する処分についても社会保険審査会への審査請求という不服申立ての道が用意されているため誤りです。④は、現行制度上、この処分について厚生労働大臣への異議申立てという手続は設けられておらず誤りです。
問45-11

国民年金の保険料その他の徴収金に関する処分についての不服申立て制度に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  • ①当該処分に不服がある者は、他の処分の場合と同様、まず社会保険審査官に対して審査請求をすることができる。
  • ②社会保険審査官の決定になお不服がある者は、その後、社会保険審査会に対して再審査請求をすることができる。
  • ③被保険者資格に関する処分と保険料に関する処分は、いずれも社会保険審査官への審査請求から手続が始まる点で共通する。
  • ④健康保険や厚生年金保険の保険料の処分と同様、社会保険審査官を経ず直接社会保険審査会へ審査請求しなければならない。
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正解 ④健康保険や厚生年金保険の保険料の処分と同様、社会保険審査官を経ず直接社会保険審査会へ審査請求しなければならない。
解説
国民年金法上は、被保険者の資格に関する処分、給付に関する処分、保険料その他の徴収金に関する処分のいずれについても、まず社会保険審査官に対して審査請求をし、その決定になお不服があるときに社会保険審査会に再審査請求をするという二段階の手続によります。保険料に関する処分を社会保険審査官を経ずに直接社会保険審査会へ審査請求できる健康保険法・厚生年金保険法の特則は、国民年金法には設けられていません。

他の選択肢が正しい理由
①は国民年金の保険料に関する処分について社会保険審査官への審査請求ができることを正しく説明しています。②は社会保険審査官の決定に不服がある場合の再審査請求の仕組みを正しく説明しています。③は、国民年金では被保険者資格に関する処分と保険料に関する処分のいずれもが社会保険審査官への審査請求を第一段階とすることを正しく説明しています。
問55-11

社会保険審査官及び社会保険審査会法が適用される処分について、取消訴訟(処分の取消しの訴え)との関係を説明した次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①当該処分の取消しの訴えは、原則として、審査請求に対する決定を経た後でなければ、これを提起することができない。
  • ②当該処分に不服がある者は、審査請求と取消訴訟のいずれを先にしてもよく、自由に選択することができる。
  • ③当該処分の取消しの訴えは、再審査請求に対する裁決を経なければ、いかなる場合でも提起することができない。
  • ④当該処分については、そもそも裁判所に取消訴訟を提起することはできず、社会保険審査会の裁決が終局的な判断となる。
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正解 ①当該処分の取消しの訴えは、原則として、審査請求に対する決定を経た後でなければ、これを提起することができない。
解説
被保険者の資格、標準報酬又は保険給付に関する処分の取消しを求める訴訟は、原則として、社会保険審査官に対する審査請求について決定を経た後でなければ提起することができないという審査請求前置の仕組みがとられています。ただし、審査請求をした日から一定期間を経過しても決定がないときなど、一定の場合には決定を経ずに訴えを提起することも認められています。

他の選択肢が誤りの理由
②は、審査請求と取消訴訟のどちらを先にしてもよいとする点が誤りで、原則として審査請求が先に必要です。③は、取消訴訟を提起するために必ず再審査請求(二段階目)の裁決まで経なければならないとする点が誤りで、前置の対象となるのは審査請求(一段階目)に対する決定です。④は、審査請求の手続を経た後には取消訴訟を提起できるため、裁判所に訴えを提起する道が閉ざされているとする点が誤りです。
問65-11

社会保険審査会の組織に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  • ①社会保険審査会は、他の多くの合議制の行政機関と同じように、厚生労働大臣の所轄の下に置かれている機関である。
  • ②社会保険審査会の裁決は、常に委員全員が出席する合議体で行うとされ、一部委員のみの合議体は認められない。
  • ③社会保険審査会は、法律の規定によって、委員長及び委員5人をもって組織するものと定められている機関である。
  • ④社会保険審査会は、全国でただ一つだけ置かれている国の中央機関であり、都道府県ごとには設置されていない。
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正解 ②社会保険審査会の裁決は、常に委員全員が出席する合議体で行うとされ、一部委員のみの合議体は認められない。
解説
社会保険審査会の裁決は、原則として、委員長又は委員長があらかじめ指名する委員を長とし、委員のうちから審査会が指名する者3人をもって構成する合議体で行うこととされており、常に委員全員の出席を要するわけではありません。

他の選択肢が正しい理由
①は社会保険審査会が厚生労働大臣の所轄の下に置かれる機関であることを正しく説明しています。③は社会保険審査会が委員長及び委員5人で組織されることを正しく説明しています。④は社会保険審査会が都道府県ごとではなく全国に一つ置かれる中央の機関であることを正しく説明しています。
問75-11

介護保険法に基づく要介護認定等の処分についての不服申立て制度に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①当該処分に不服がある者は、健康保険の場合と同じく、まず地方厚生局の社会保険審査官に審査請求をしなければならない。
  • ②当該処分に不服がある者は、市町村長に対して審査請求をした後、都道府県知事に対して再審査請求をすることができる。
  • ③当該処分に不服がある者は、健康保険等とは別に、都道府県に置かれる介護保険審査会に審査請求をすることができる。
  • ④当該処分についての審査請求は、処分をした市町村と同じ市町村内に設置された機関に対して行わなければならない。
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正解 ③当該処分に不服がある者は、健康保険等とは別に、都道府県に置かれる介護保険審査会に審査請求をすることができる。
解説
市町村(保険者)が行う要介護認定や保険給付に関する処分に不服がある者は、都道府県に置かれる介護保険審査会に対して審査請求をすることができます。健康保険等のように国の機関である社会保険審査官・社会保険審査会が扱う仕組みとは異なる、独立した不服申立て機関です。

他の選択肢が誤りの理由
①は、介護保険の処分について地方厚生局の社会保険審査官が担当するとする点が誤りで、介護保険審査会という別の機関が担当します。②は、市町村長への審査請求とその後の都道府県知事への再審査請求という二段階の手続を前提とする点が誤りで、実際には都道府県の介護保険審査会への審査請求のみの一段階です。④は、審査請求先が処分をした市町村と同じ市町村内に置かれるとする点が誤りで、実際には都道府県単位で設置されています。
問85-11

国民健康保険法に基づく処分についての不服申立て制度に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  • ①市町村等が行った被保険者の資格や給付の処分に不服がある者は、国民健康保険審査会に審査請求をすることができる。
  • ②国民健康保険審査会は、国民健康保険法の規定に基づき、都道府県ごとに設置される合議制の機関とされている。
  • ③国民健康保険審査会は、被保険者を代表する委員・保険者を代表する委員・公益を代表する委員で組織される。
  • ④国民健康保険審査会の裁決に不服がある者は、厚生労働省に置かれる社会保険審査会に再審査請求をすることができる。
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正解 ④国民健康保険審査会の裁決に不服がある者は、厚生労働省に置かれる社会保険審査会に再審査請求をすることができる。
解説
国民健康保険審査会の裁決は一段階のみの終局的な判断であり、その裁決に不服がある者が厚生労働省の社会保険審査会に再審査請求をするという仕組みは設けられていません。裁決になお不服がある場合は、裁判所に対して処分の取消しの訴えを提起することになります。

他の選択肢が正しい理由
①は国民健康保険審査会が市町村や国民健康保険組合の処分に対する不服申立て先であることを正しく説明しています。②は国民健康保険審査会が都道府県に置かれることを正しく説明しています。③は国民健康保険審査会の委員構成(被保険者代表・保険者代表・公益代表)を正しく説明しています。
問95-11

後期高齢者医療広域連合が行う処分についての不服申立て制度に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①当該処分に不服がある者は、都道府県に置かれる後期高齢者医療審査会に審査請求をすることができる制度となっている。
  • ②当該処分に不服がある者は、後期高齢者医療広域連合の区域内の市町村に置かれる審査会に対して審査請求をする。
  • ③当該処分についての不服申立ては、社会保険審査官及び社会保険審査会法に基づき、地方厚生局の社会保険審査官が担当する。
  • ④当該処分に不服がある者であっても、審査請求をすることはできず、直接、処分の取消しの訴えを提起するほかない。
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正解 ①当該処分に不服がある者は、都道府県に置かれる後期高齢者医療審査会に審査請求をすることができる制度となっている。
解説
後期高齢者医療広域連合が行う被保険者資格や保険料、給付に関する処分に不服がある者は、都道府県に置かれる後期高齢者医療審査会に対して審査請求をすることができます。健康保険等とは別の、都道府県単位の独立した不服申立て機関です。

他の選択肢が誤りの理由
②は、審査会が市町村に置かれるとする点が誤りで、実際には都道府県に置かれます。③は、社会保険審査官及び社会保険審査会法に基づき地方厚生局の社会保険審査官が担当するとする点が誤りで、この処分は後期高齢者医療の制度独自の審査会が担当します。④は、審査請求という不服申立ての手段が存在しないとする点が誤りで、実際には後期高齢者医療審査会への審査請求という道が用意されています。
問105-11

健康保険・厚生年金保険・国民年金の不服申立て制度と、介護保険・国民健康保険・後期高齢者医療の不服申立て制度とを比較した次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  • ①健康保険等の処分は社会保険審査官・社会保険審査会による2段階審査だが、介護保険等の処分は都道府県審査会への1段階審査である。
  • ②審査請求の期間は、社会保険審査官への場合は3か月であるのに対し、介護保険審査会や国民健康保険審査会の場合は短い1か月である。
  • ③介護保険・国民健康保険・後期高齢者医療のいずれの審査会も、社会保険審査会とは異なり、都道府県ごとに置かれている機関である。
  • ④健康保険等のいずれについても、被保険者資格等の処分の取消訴訟の提起には、原則として審査請求に対する決定を経ることが必要である。
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正解 ②審査請求の期間は、社会保険審査官への場合は3か月であるのに対し、介護保険審査会や国民健康保険審査会の場合は短い1か月である。
解説
介護保険審査会や国民健康保険審査会に対する審査請求の期間も、社会保険審査官に対する審査請求の場合と同様、原則として処分があったことを知った日の翌日から起算して3か月です。両者の間に期間の長短の違いがあるという説明は誤りです。

他の選択肢が正しい理由
①は、健康保険等が国の機関による2段階審査であるのに対し、介護保険等が都道府県の審査会による1段階審査である基本構造の違いを正しく説明しています。③は、介護保険審査会等が都道府県ごとに置かれる点を正しく説明しています。④は、健康保険等の被保険者資格等に関する処分について取消訴訟を提起するには原則として審査請求に対する決定を経る必要がある(審査請求前置)ことを正しく説明しています。

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