2026年版・5-1

社会保障制度の全体像・沿革の一問一答

社会保険労務士(社労士)「社会保険に関する一般常識」から、社会保障制度の全体像・沿革に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問15-1

社会保障における「社会保険方式」と「社会扶助方式」の違いに関する記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①社会保険方式は、あらかじめ保険料を拠出することを受給の要件とし、資力調査を伴わずに給付を行う方式である。
  • ②社会扶助方式は、被保険者があらかじめ保険料を拠出することを受給の要件とし、拠出実績に応じて給付する方式である。
  • ③社会保険方式は、財源のすべてを公費でまかない、資力調査を経て困窮の程度に応じて給付を行う方式である。
  • ④社会扶助方式は、労使が折半で保険料を負担し合い、稼働能力の有無にかかわらず一律に給付する方式である。
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正解 ①社会保険方式は、あらかじめ保険料を拠出することを受給の要件とし、資力調査を伴わずに給付を行う方式である。
解説
社会保険方式は、あらかじめ保険料を拠出した者(被保険者)を対象に、保険事故(疾病・老齢・失業など)が発生した際に、資力調査(ミーンズテスト)を経ることなく給付を行う仕組みです。日本の医療・年金・介護・雇用・労災の各制度は、いずれもこの社会保険方式を基本としています。

他の選択肢が誤りの理由
②は社会扶助方式ではなく社会保険方式の説明になっており、社会扶助方式は保険料拠出を要件としない点で誤りです。③は社会保険方式ではなく社会扶助方式(公的扶助等)の説明であり、財源を公費に限定し資力調査を伴う点が社会保険方式の特徴と逆になっています。④は社会扶助方式ではなく社会保険方式(労使折半による保険料負担)の説明になっている点で誤りです。
問25-1

1874年(明治7年)に制定された恤救規則に関する記述のうち、誤っているものはどれか。

  • ①恤救規則は、血縁や地縁による相互扶助では救済できない者を対象とした、制限的な救貧制度であった。
  • ②恤救規則は、国民の権利として救済を求めることができる仕組みを明確に定めた、近代的な公的扶助制度であった。
  • ③恤救規則の救済対象は、独力で生活できない極貧の老衰者や障害者、幼者など、ごく限られた範囲にとどまっていた。
  • ④恤救規則は、後の救護法(1929年制定)が施行されるまで、日本における公的救貧制度の基本であり続けた。
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正解 ②恤救規則は、国民の権利として救済を求めることができる仕組みを明確に定めた、近代的な公的扶助制度であった。
解説
恤救規則は「人民相互の情誼」、つまり血縁・地縁による私的な相互扶助を基本とし、それでも救済できない極めて限定的な対象者にのみ米代を給付する、制限的な仕組みでした。救済を国民の権利として構成する発想はなく、後の救護法や生活保護法とは性格が異なります。

他の選択肢が正しい理由
①は恤救規則が私的な相互扶助を原則としていたことを正しく説明しています。③は対象が極貧の老衰者・障害者・幼者などに限定されていたという内容を正しく説明しています。④は恤救規則が1929年の救護法制定(施行は1932年)まで公的救貧制度の基本であり続けたことを正しく説明しています。
問35-1

1922年(大正11年)に制定された(旧)健康保険法に関する記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①(旧)健康保険法は、農業や自営業に従事する者を主な対象として、疾病等に備える制度として創設された。
  • ②(旧)健康保険法という法律は、全国民を対象とする強制加入の医療保険として、制定と同時に全面施行された。
  • ③(旧)健康保険法は、工場労働者や鉱山労働者などの被用者を対象とした、日本で最初の社会保険立法であった。
  • ④(旧)健康保険法は、事業主のみが保険料を負担し、被保険者本人の保険料負担を求めない仕組みであった。
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正解 ③(旧)健康保険法は、工場労働者や鉱山労働者などの被用者を対象とした、日本で最初の社会保険立法であった。
解説
1922年に制定された(旧)健康保険法は、工場法・鉱業法の適用を受ける工場・鉱山等の現場で働く労働者を主な対象として、業務外の疾病・負傷等に備える制度として創設されました。日本で最初の社会保険立法として位置づけられ、後の社会保険制度全体の出発点となりました。

他の選択肢が誤りの理由
①は対象が逆で、農業や自営業に従事する者を主な対象としたのは後の(旧)国民健康保険法(1938年)である点で誤りです。②は全面施行の時期が誤りで、関東大震災の影響等により制定から数年後の1927年に施行されており、また対象も全国民ではなく被用者に限られていました。④は保険料負担の説明が誤りで、(旧)健康保険法は事業主と被保険者の双方が保険料を負担する仕組みでした。
問45-1

1938年(昭和13年)に制定された(旧)国民健康保険法に関する記述のうち、誤っているものはどれか。

  • ①(旧)国民健康保険法は、健康保険等の対象とならなかった農村部の住民などの医療確保を主な目的として制定された。
  • ②(旧)国民健康保険法に基づく国民健康保険組合は、当初、市町村ごとの任意設立とされていた仕組みである。
  • ③(旧)国民健康保険法の下では、住民の国民健康保険への加入は任意加入とされ、強制加入ではなかった。
  • ④(旧)国民健康保険法は、その制定当初から一貫して、全市町村に国民健康保険事業の実施を義務付けていた。
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正解 ④(旧)国民健康保険法は、その制定当初から一貫して、全市町村に国民健康保険事業の実施を義務付けていた。
解説
1938年制定の(旧)国民健康保険法は、市町村(又は国民健康保険組合)による任意設立・住民の任意加入を原則としており、全市町村への実施義務付けはされていませんでした。実施が全市町村に義務化されたのは、戦後の1958年の全部改正(新国民健康保険法)によってです。

他の選択肢が正しい理由
①は制定目的として、被用者保険の対象とならなかった農村部住民等の医療確保を掲げていたことを正しく説明しています。②は国民健康保険組合の設立が当初任意であったことを正しく説明しています。③は住民の加入が任意加入であったことを正しく説明しています。
問55-1

1961年(昭和36年)に達成された、いわゆる「国民皆保険・国民皆年金」に関する記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①国民皆保険は、1958年の国民健康保険法改正によって、全市町村でも国民健康保険事業の実施が義務付けられ達成された。
  • ②国民皆保険は、健康保険法上の被保険者及びその被扶養者のみによって、全国民をカバーする体制が整ったことで達成された。
  • ③国民皆年金は、厚生年金保険法における適用対象を全国民へと拡大したことにより、国民年金法を新たに制定せずに達成された。
  • ④国民皆保険と国民皆年金は、いずれも介護保険法が施行された2000年とちょうど同じ時期に達成されたものとされている。
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正解 ①国民皆保険は、1958年の国民健康保険法改正によって、全市町村でも国民健康保険事業の実施が義務付けられ達成された。
解説
1958年の国民健康保険法全部改正により、1961年4月までに全市町村が国民健康保険事業を実施することが義務付けられ、被用者保険等でカバーされない住民は市町村国保に加入することとされました。これにより1961年、全国民がいずれかの医療保険に加入する国民皆保険が達成され、同年施行の国民年金法とあわせ国民皆年金も同時に達成されました。

他の選択肢が誤りの理由
②は健康保険法だけでは自営業者・農業従事者等をカバーできないため誤りで、国民皆保険の実現には国民健康保険の全国的な整備が不可欠でした。③は国民年金法(1959年制定・1961年拠出制部分施行)という新たな法律の制定によって国民皆年金が達成された点で誤りです。④は時期が誤りで、国民皆保険・国民皆年金はいずれも1961年に達成されており、介護保険法の施行(2000年)より約40年前です。
問65-1

1973年(昭和48年)、いわゆる「福祉元年」における施策に関する記述のうち、誤っているものはどれか。

  • ①1973年には、70歳以上の高齢者等を対象とした老人医療費支給制度により、自己負担分の公費負担が図られた。
  • ②1973年には、医療保険における給付率を全年齢層で一律5割に引き下げる改正が行われ、患者の負担が増加した。
  • ③1973年には、公的年金の給付水準の引き上げとあわせ、物価スライド制が導入され、年金額が物価変動に応じて改定された。
  • ④1973年に始まったオイルショックによる経済情勢の変化を受け、その後の社会保障制度は見直しを迫られていくことになった。
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正解 ②1973年には、医療保険における給付率を全年齢層で一律5割に引き下げる改正が行われ、患者の負担が増加した。
解説
1973年は、老人医療費の無料化(老人医療費支給制度の創設)や年金給付水準の大幅引き上げ・物価スライド制の導入など、社会保障の給付を拡充する施策が相次いだことから「福祉元年」と呼ばれます。医療保険の給付率を引き下げて患者負担を増やすような改正は行われておらず、この年の基調とは逆の内容です。

他の選択肢が正しい理由
①は老人医療費支給制度により高齢者の自己負担分が公費で賄われ、実質無料化が図られたことを正しく説明しています。③は公的年金の給付水準引き上げと物価スライド制導入を正しく説明しています。④はオイルショックが同年に発生し、その後の社会保障制度の見直しにつながったことを正しく説明しています。
問75-1

2000年(平成12年)に施行された介護保険法がもたらした変化に関する記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①介護保険法の施行により、行政が対象者やサービス内容を職権で決定する措置制度が、初めて日本の高齢者福祉に導入された。
  • ②介護保険法の施行後も、高齢者福祉サービスの利用は従来どおり行政による措置決定の方式のみで提供され続けている。
  • ③介護保険法の施行により、利用者が事業者と対等な立場でサービスを選択し契約する仕組みへの転換が図られた。
  • ④介護保険法は、医療保険と同じ保険者の下で運営することとされ、独立した保険制度としては創設されなかった。
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正解 ③介護保険法の施行により、利用者が事業者と対等な立場でサービスを選択し契約する仕組みへの転換が図られた。
解説
介護保険法の施行前、高齢者福祉サービスは行政がサービスの要否や内容を職権で決定する「措置制度」によって提供されていました。介護保険法の施行により、利用者自らが介護サービス事業者を選び契約を結ぶ「契約制度」へと転換され、利用者の自己決定権を尊重する仕組みが導入されました。

他の選択肢が誤りの理由
①は措置制度が介護保険法施行前から存在していた仕組みである点で誤りです。②は措置制度から契約制度へ転換したという介護保険法の趣旨と正反対の内容です。④は介護保険が医療保険とは別の独立した社会保険制度として、市町村を保険者として創設された点で誤りです。
問85-1

2008年(平成20年)に施行された後期高齢者医療制度に関する記述のうち、誤っているものはどれか。

  • ①後期高齢者医療制度は、それまでの老人保健制度に代わるものとして、高齢者の医療を対象とした独立の制度として創設された。
  • ②後期高齢者医療制度の創設に伴い、それまでの老人保健制度は完全に廃止されることとなり、新たな制度へ移行した。
  • ③後期高齢者医療制度の運営主体は、都道府県の区域ごとに、すべての市町村が加入する後期高齢者医療広域連合とされる。
  • ④後期高齢者医療制度は、健康保険組合や協会けんぽなど被用者保険の保険者が、そのまま高齢者の保険者となる仕組みである。
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正解 ④後期高齢者医療制度は、健康保険組合や協会けんぽなど被用者保険の保険者が、そのまま高齢者の保険者となる仕組みである。
解説
後期高齢者医療制度の運営主体は、都道府県単位ですべての市町村が加入して設立される後期高齢者医療広域連合であり、被用者保険の保険者ではありません。75歳に到達すると、それまで加入していた被用者保険や国民健康保険の被保険者資格を失い、後期高齢者医療の被保険者に切り替わります。

他の選択肢が正しい理由
①は後期高齢者医療制度が老人保健制度に代わる独立した制度として創設されたことを正しく説明しています。②は制度創設に伴い老人保健制度が廃止されたことを正しく説明しています。③は運営主体が都道府県単位の後期高齢者医療広域連合であることを正しく説明しています。
問95-1

日本の社会保険制度の仕組み上の特徴に関する記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①社会保険は、保険料負担能力の高い者からより多くの保険料を徴収する仕組み等を通じて、所得再分配機能を有している。
  • ②社会保険は、民間の生命保険と同様に、加入するかどうかを個人が自由に選択できる任意加入を原則とする制度である。
  • ③社会保険は、保険料と給付とが個人単位で厳密に対応する「給付・反対給付均等の原則」のみに基づいて設計されている。
  • ④社会保険は、保険事故が生じた場合に限り、拠出した保険料の総額を上限として現金給付のみを行う仕組みである。
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正解 ①社会保険は、保険料負担能力の高い者からより多くの保険料を徴収する仕組み等を通じて、所得再分配機能を有している。
解説
社会保険は、保険料を報酬額等に応じて負担させる仕組みや、事業主負担・公費負担を組み合わせる仕組みなどを通じて、私保険とは異なり所得再分配の機能を併せ持っています。これにより、拠出額と給付額が個人単位で厳密には一致しない仕組みとなっています。

他の選択肢が誤りの理由
②は社会保険の多くが法律上の要件を満たせば加入が義務付けられる強制加入を原則としている点で誤りです。③は社会保険が給付・反対給付均等の原則を修正し所得再分配機能を持たせている点を無視しており誤りです。④は現金給付のみに限られるとする点が誤りで、医療保険や介護保険のように現物給付(サービス給付)を中心とする制度も存在します。
問105-1

日本における5つの社会保険制度の分類に関する記述のうち、誤っているものはどれか。

  • ①日本の社会保険制度は、一般に医療保険・年金保険・介護保険・雇用保険・労災保険という5分野に大別されている。
  • ②労災保険と雇用保険をあわせて「厚生保険」と総称し、医療・年金・介護保険とは別の体系として位置付けられる。
  • ③労災保険と雇用保険は、あわせて「労働保険」と総称されることが多く、保険料の徴収事務が一体的に行われている。
  • ④医療保険・年金保険・介護保険は、労災保険・雇用保険と対比して、狭義の「社会保険」と呼ばれることがある。
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正解 ②労災保険と雇用保険をあわせて「厚生保険」と総称し、医療・年金・介護保険とは別の体系として位置付けられる。
解説
労災保険と雇用保険をあわせた総称として一般に用いられるのは「労働保険」であり、「厚生保険」という総称は用いられません。「労働保険の保険料の徴収等に関する法律」により、両保険の保険料は一体的に徴収される仕組みになっています。

他の選択肢が正しい理由
①は社会保険制度が医療・年金・介護・雇用・労災の5分野に大別されるという一般的な整理を正しく説明しています。③は労災保険と雇用保険が労働保険として総称され、保険料徴収事務が一体化されていることを正しく説明しています。④は医療・年金・介護保険を、労働保険(労災・雇用)と対比する形で狭義の「社会保険」と呼ぶことがあるという整理を正しく説明しています。

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※本ページの問題・解説は、生成AI(人工知能)を活用して作成しています。