2026年版・2-8

保険給付の通則・社会復帰促進等事業の一問一答

社会保険労務士(社労士)「労災保険法」から、保険給付の通則・社会復帰促進等事業に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問12-8

保険給付の算定基礎となる給付基礎日額に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①給付基礎日額は、事業主が任意に設定できる金額であり、労使間の合意で決定される。
  • ②給付基礎日額は、労働者の年齢にかかわらず、全国一律の定額と定められている。
  • ③給付基礎日額は、原則として労働基準法上の平均賃金に相当する額とされている。
  • ④給付基礎日額は、労働者が加入している厚生年金保険の標準報酬月額と同一額であるとされる。
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正解 ③給付基礎日額は、原則として労働基準法上の平均賃金に相当する額とされている。
解説
給付基礎日額は、原則として労働基準法第12条に定める平均賃金に相当する額とされています。平均賃金は、算定事由発生日以前3か月間にその労働者に対して支払われた賃金の総額を、その期間の総日数で除して算定されるもので、各種保険給付の額を計算する際の基礎となります。

他の選択肢が誤りの理由
②は誤りで、全国一律の定額ではなく、個々の労働者の賃金実績に基づいて算定されます。①は誤りで、事業主が任意に設定できる金額ではありません。④は誤りで、厚生年金保険の標準報酬月額とは別の考え方に基づく額であり、常に同一とは限りません。
問22-8

保険給付を受ける権利と労働者の退職の関係に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①労働者が退職した場合、保険給付を受ける権利は退職後に改めて再申請しなければ存続しないと解される。
  • ②労働者が退職した場合には、既に発生していた保険給付を受ける権利も同時に消滅するとされている。
  • ③労働者が退職した場合、保険給付を受ける権利は退職後6か月以内に限り存続するとされる。
  • ④労働者が退職した場合であっても、保険給付を受ける権利は変更されないものとされている。
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正解 ④労働者が退職した場合であっても、保険給付を受ける権利は変更されないものとされている。
解説
保険給付を受ける権利は、労働者が退職したことによって変更されないと労災保険法に明記されています。退職後に改めて再申請する必要もなく、既に生じている受給権は退職の前後を問わず従前どおり存続します。

他の選択肢が誤りの理由
①は誤りで、退職後に再申請しなければ存続しないという特別な取扱いはありません。②は誤りで、退職によって既発生の受給権が消滅することはありません。③は誤りで、退職後6か月というような期間制限は設けられていません。
問32-8

保険給付を受ける権利の譲渡・担保供与・差押えに関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①保険給付を受ける権利は、原則として譲渡し、担保に供し、又は差し押さえることができない。
  • ②保険給付を受ける権利は、労働者本人の同意さえあれば自由に第三者へ譲渡することができる。
  • ③保険給付を受ける権利は、金融機関からの借入れの担保として提供することが広く認められている。
  • ④保険給付を受ける権利のうち、差押えが禁止されるのは療養補償給付に限られ、他の給付には及ばない。
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正解 ①保険給付を受ける権利は、原則として譲渡し、担保に供し、又は差し押さえることができない。
解説
保険給付を受ける権利は、被災労働者やその遺族の生活を保障するためのものであるため、労災保険法上、原則として譲渡し、担保に供し、又は差し押さえることができないものとされています。労働者本人の生活保障を確実にするための重要な保護規定です。

他の選択肢が誤りの理由
②は誤りで、労働者本人の同意があっても自由に譲渡できるわけではありません。③は誤りで、金融機関の借入れの担保として広く提供できる制度ではありません。④は誤りで、譲渡・担保・差押えの禁止は療養補償給付に限られるものではなく、休業補償給付・障害補償給付・遺族補償給付など保険給付を受ける権利全般に及びます。
問42-8

保険給付を受ける権利の消滅時効に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①すべての保険給付を受ける権利は、給付の種類にかかわらず一律に2年間で時効消滅するものと解されている。
  • ②療養補償給付や休業補償給付を受ける権利は2年、障害補償給付や遺族補償給付は5年で時効消滅するものと解されている。
  • ③すべての保険給付を受ける権利は、給付の種類にかかわらず一律に5年間で時効消滅するものと解されている。
  • ④保険給付を受ける権利には、消滅時効の定めというものが一切なく、いつまでも請求することができるものと解されている。
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正解 ②療養補償給付や休業補償給付を受ける権利は2年、障害補償給付や遺族補償給付は5年で時効消滅するものと解されている。
解説
労災保険法上、療養補償給付、休業補償給付、葬祭料、介護補償給付、二次健康診断等給付を受ける権利は2年、障害補償給付及び遺族補償給付を受ける権利は5年の消滅時効にかかります。給付の種類によって時効期間が異なる点が重要です。

他の選択肢が誤りの理由
①は誤りで、すべての給付が一律2年ではなく、障害補償給付・遺族補償給付は5年です。③は誤りで、すべての給付が一律5年ではなく、療養補償給付・休業補償給付等は2年です。④は誤りで、消滅時効の定めがないわけではなく、給付の種類に応じた時効期間が設けられています。
問52-8

社会復帰促進等事業を構成する3つの事業に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①社会復帰促進等事業は、事業主向けの助成金事業のみを内容とするものであるとされる。
  • ②社会復帰促進等事業は、療養補償給付事業のみで構成される単一の事業であるとされている。
  • ③社会復帰促進事業、被災労働者等援護事業、安全衛生確保等事業の3つで構成されているとされる。
  • ④社会復帰促進等事業は、労働者の老後の年金給付を目的とする事業を含んでいるものとされている。
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正解 ③社会復帰促進事業、被災労働者等援護事業、安全衛生確保等事業の3つで構成されているとされる。
解説
社会復帰促進等事業は、被災労働者の円滑な社会復帰を促進するための社会復帰促進事業、被災労働者やその遺族の援護を図るための被災労働者等援護事業、労働災害の防止等を図るための安全衛生確保等事業の3つの事業から構成されています。特別支給金は被災労働者等援護事業の一環として位置付けられます。

他の選択肢が誤りの理由
②は誤りで、療養補償給付は保険給付そのものであり、社会復帰促進等事業ではありません。①は誤りで、事業主向けの助成金事業のみに限定されるものではありません。④は誤りで、老後の年金給付は国民年金・厚生年金保険の役割であり、社会復帰促進等事業の内容ではありません。
問62-8

第三者の行為によって生じた災害(第三者行為災害)における政府の求償に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①第三者行為災害における政府の求償は、第三者が保険給付の全額を先に弁済した場合にのみ行われると解されている。
  • ②第三者行為災害の場合、政府は保険給付を一切行わず、被災労働者は第三者に対してのみ損害賠償を請求できるものとされている。
  • ③第三者行為災害の場合、政府が保険給付をしても、被災労働者の第三者に対する損害賠償請求権には何ら影響しない。
  • ④政府が保険給付をしたときは、その給付の価額の限度で、被災労働者が第三者に対して有する損害賠償請求権を取得するとされる。
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正解 ④政府が保険給付をしたときは、その給付の価額の限度で、被災労働者が第三者に対して有する損害賠償請求権を取得するとされる。
解説
政府が保険給付をしたときは、その給付の価額の限度において、被災労働者が第三者に対して有する損害賠償請求権を取得(代位取得)し、政府が第三者に求償することになります。同一の損害について保険給付と損害賠償の両方が二重に支払われることを防ぐ趣旨の仕組みです。

他の選択肢が誤りの理由
①は誤りで、求償は第三者が先に全額弁済した場合に限られるものではなく、通常は政府が先に保険給付を行った場合に生じます。②は誤りで、第三者行為災害であっても政府は要件を満たせば保険給付を行います。③は誤りで、保険給付が行われれば、その価額の限度で損害賠償請求権に影響が生じます。
問72-8

第三者行為災害において被災労働者が先に損害賠償を受けた場合の保険給付の調整(控除)に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①被災労働者が第三者から先に損害賠償を受けたときは、政府はその価額の限度で保険給付をしないことができる。
  • ②被災労働者が第三者から先に損害賠償を受けた場合であっても、保険給付は損害賠償額と関係なく全額支給される。
  • ③被災労働者が第三者から先に損害賠償を受けた場合、それ以後は労災保険からの一切の給付が停止される。
  • ④被災労働者が第三者から先に損害賠償を受けた場合、受けた損害賠償額を政府に返還しなければならない。
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正解 ①被災労働者が第三者から先に損害賠償を受けたときは、政府はその価額の限度で保険給付をしないことができる。
解説
被災労働者が第三者から同一の事由について先に損害賠償を受けた場合には、政府はその価額の限度において保険給付をしないことができるとされています。これは求償の場合とは逆に、既に損害の填補を受けた部分について保険給付を控除する仕組みであり、いずれも二重填補を防ぐ目的は共通しています。

他の選択肢が誤りの理由
②は誤りで、損害賠償額と関係なく全額支給されるわけではなく、調整(控除)が行われます。③は誤りで、一切の給付が停止されるのではなく、既に受けた損害賠償の価額の限度で調整されるにとどまります。④は誤りで、受けた損害賠償額を政府に返還する仕組みではなく、その分の保険給付が行われないという調整方法がとられます。
問82-8

偽りその他不正の手段により保険給付を受けた者に対する費用徴収に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①不正受給が発覚した場合であっても、既に支給された保険給付を政府が徴収することは一切できない。
  • ②政府は、不正受給者からその受けた保険給付の価額の全部又は一部を徴収することができる。
  • ③不正受給者に対する費用徴収は、刑事罰が確定した場合に限り行うことができる制度である。
  • ④不正受給に事業主の虚偽の届出等が関係していた場合でも、事業主が徴収の対象となることはない。
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正解 ②政府は、不正受給者からその受けた保険給付の価額の全部又は一部を徴収することができる。
解説
偽りその他不正の手段により保険給付を受けた者があるときは、政府はその者から、その受けた保険給付の価額の全部又は一部を徴収することができます。また、事業主が虚偽の報告や証明をしたために不正受給が生じた場合には、その事業主も不正受給者と連帯して徴収されることがあります。

他の選択肢が誤りの理由
①は誤りで、政府による費用徴収の制度が設けられています。③は誤りで、刑事罰の確定を要件とするものではなく、行政上の費用徴収として独立に行うことができます。④は誤りで、事業主の虚偽届出等が原因である場合には、事業主も連帯して徴収の対象となり得ます。
問92-8

労働者の故意による負傷等に対する保険給付の制限に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①労働者が故意に事故を生じさせた場合であっても、遺族に対する保険給付だけは必ず全額支給されるとされている。
  • ②労働者に故意があったとしても、業務上の事故である以上、保険給付は減額されることなく支給される。
  • ③労働者が故意に負傷、疾病、障害又は死亡の原因となる事故を生じさせたときは、保険給付は行われないとされる。
  • ④労働者の故意による事故については、保険給付は行われないが、特別支給金だけは支給されるとされる。
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正解 ③労働者が故意に負傷、疾病、障害又は死亡の原因となる事故を生じさせたときは、保険給付は行われないとされる。
解説
労働者が故意に負傷、疾病、障害又は死亡及びその直接の原因となった事故を生じさせたときは、保険給付は行われません。これに対し、故意ではなく重大な過失や故意の犯罪行為による場合は、保険給付の全部又は一部を行わないことができるという、やや緩やかな給付制限にとどまる点で区別されています。

他の選択肢が誤りの理由
④は誤りで、故意による事故については保険給付が行われないという原則があります。①は誤りで、故意による場合まで一律に全額支給されるわけではありません。②は誤りで、保険給付が行われない場合、これと連動する特別支給金についても支給されません。
問102-8

保険給付の受給権者が死亡した場合の未支給の保険給付に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①未支給の保険給付は、受給権者の死亡から1か月以内に請求しなければ消滅する特別な取扱いとなっている。
  • ②受給権者が死亡した場合、未支給の保険給付は国庫に帰属し、遺族が請求することはできないものとされている。
  • ③未支給の保険給付を請求できるのは、受給権者の法定相続人のうち配偶者のみに限られるとされている。
  • ④受給権者の死亡当時その者と生計を同じくしていた遺族は、自己の名で未支給の保険給付を請求できるとされる。
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正解 ④受給権者の死亡当時その者と生計を同じくしていた遺族は、自己の名で未支給の保険給付を請求できるとされる。
解説
保険給付の受給権者が死亡した場合において、まだ支給されていない保険給付があるときは、その者の死亡当時その者と生計を同じくしていた配偶者、子、父母等の遺族が、自己の名で未支給の保険給付の支給を請求することができます。通常の消滅時効の範囲内であれば請求でき、死亡から1か月という特別な期限が設けられているわけではありません。

他の選択肢が誤りの理由
①は誤りで、死亡から1か月以内という特別な期限は設けられていません。②は誤りで、国庫に帰属するのではなく遺族が請求できます。③は誤りで、配偶者のみに限定されず、子や父母等も要件を満たせば請求できます。

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