2026年版・2-4

療養補償給付・休業補償給付の一問一答

社会保険労務士(社労士)「労災保険法」から、療養補償給付・休業補償給付に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問12-4

療養補償給付の給付内容に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①療養補償給付は、労災病院や労災保険指定医療機関で療養を受けさせる療養の給付を行うのが原則である。
  • ②療養補償給付は、常に現金給付として被災労働者の指定する銀行口座に一括で振り込まれる。
  • ③療養補償給付は、被災労働者が実際に支払った医療費の半額を、後日払い戻す制度として設計されている。
  • ④療養補償給付は、被災労働者が希望した場合に限り、事業主の同意を条件として支給される。
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正解 ①療養補償給付は、労災病院や労災保険指定医療機関で療養を受けさせる療養の給付を行うのが原則である。
解説
療養補償給付は、労災病院や都道府県労働局長の指定する医療機関等において、診察、薬剤の支給、処置、手術その他の治療などを現物で受けさせる「療養の給付」を原則としています。被災労働者は原則として治療費を窓口で負担することなく療養を受けられます。

他の選択肢が誤りの理由
②は誤りで、現金給付ではなく現物給付が原則です。③は誤りで、医療費の半額を払い戻す制度ではありません。④は誤りで、業務災害・通勤災害と認定されれば支給されるものであり、事業主の同意を条件とするものではありません。
問22-4

指定医療機関以外で療養を受けた場合の給付に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①指定医療機関以外で療養を受けた場合、労災保険からの給付は行われず、自己負担となる。
  • ②指定医療機関以外で療養を受けた場合は、療養の給付に代えて、療養の費用が現金で支給される。
  • ③指定医療機関以外で療養を受けた場合であっても、必ず指定医療機関と同様に現物給付が行われる。
  • ④指定医療機関以外で療養を受けた場合、健康保険給付を受け自己負担分のみ労災保険から補填される。
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正解 ②指定医療機関以外で療養を受けた場合は、療養の給付に代えて、療養の費用が現金で支給される。
解説
近隣に指定医療機関がない等やむを得ない事情により指定医療機関以外で療養を受けた場合には、現物給付である療養の給付を行うことができないため、これに代えて、実際に要した療養費用に相当する額を現金で支給する「療養の費用の支給」が行われます。

他の選択肢が誤りの理由
①は誤りで、労災保険からの給付が一切行われないわけではなく、療養の費用として支給されます。③は誤りで、指定医療機関以外では現物給付ではなく現金給付の形をとります。④は誤りで、業務災害・通勤災害には健康保険は使えず、労災保険から療養の費用として支給される仕組みです。
問32-4

療養補償給付における一部負担金に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①一部負担金は、被災労働者の年齢が65歳以上である場合にのみ徴収される特別な制度である。
  • ②業務災害・通勤災害のいずれについても、療養に要した費用の1割を一律に一部負担金として徴収される。
  • ③業務災害の療養補償給付に一部負担金はないが、通勤災害の療養給付には初回に定額の一部負担金がある。
  • ④一部負担金については、療養の給付を受けるたびに、受診の都度必ず徴収される仕組みとなっている。
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正解 ③業務災害の療養補償給付に一部負担金はないが、通勤災害の療養給付には初回に定額の一部負担金がある。
解説
業務災害による療養補償給付には一部負担金の定めがなく無料で療養を受けられますが、通勤災害による療養給付については、労働者の受診の機会を確保しつつ濫用を防ぐ趣旨から、休業給付を受けない者を除き、原則として一部負担金(定額)を負担する仕組みになっています。

他の選択肢が誤りの理由
①は誤りで、65歳以上かどうかで区別される制度ではありません。②は誤りで、1割という定率負担ではなく、通勤災害の場合も定額の負担です。④は誤りで、一部負担金は最初の受診時にのみ徴収されるのが原則であり、受診のたびに必ず徴収される仕組みではありません。
問42-4

休業補償給付の支給要件に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①休業補償給付は、業務上の傷病の療養のために欠勤した日数にかかわらず、月単位でまとめて支給される。
  • ②業務上の傷病による療養中であれば、実際に就労が可能かどうかを問わず休業補償給付が支給される。
  • ③休業補償給付の支給要件は、療養のため労働できないことのみであり、賃金の有無は要件とされない。
  • ④業務上の傷病による療養のため労働することができず、かつ賃金を受けていないことが支給要件となる。
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正解 ④業務上の傷病による療養のため労働することができず、かつ賃金を受けていないことが支給要件となる。
解説
休業補償給付は、労働者が業務上の傷病による療養のため労働することができず、そのために賃金を受けていない日について支給されます。療養のため労働不能であることと、賃金を受けていないことの両方が支給要件となります。

他の選択肢が誤りの理由
①は誤りで、月単位でまとめて支給されるのではなく、欠勤日数に応じて日単位で計算され支給されます。②は誤りで、実際に就労が可能かどうかを問わず支給されるのではなく、労働できないことが要件です。③は誤りで、賃金を受けていないことも支給要件の一つとして必要です。
問52-4

休業補償給付の待期期間に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①休業補償給付は、療養のため労働できず賃金を受けない日が3日間経過した後、4日目から支給される。
  • ②休業補償給付は、療養のため労働できない状態になった当日から給付基礎日額の60%が支給される。
  • ③休業補償給付の待期期間である3日間は、必ず連続していなければならず、断続的な日数は通算されない。
  • ④休業補償給付の待期期間中は、通勤災害の場合に限り、事業主に休業補償の支払義務が課されている。
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正解 ①休業補償給付は、療養のため労働できず賃金を受けない日が3日間経過した後、4日目から支給される。
解説
休業補償給付には3日間の待期期間があり、療養のため労働できず賃金を受けない日が3日続いた後、4日目から支給が開始されます。この3日間について、業務災害の場合は労働基準法上の災害補償の考え方に基づき、事業主が平均賃金の60%を休業補償として支払う義務を負います。

他の選択肢が誤りの理由
②は誤りで、労働できなくなった当日から支給されるのではなく、待期期間経過後の4日目からです。③は誤りで、待期期間の3日間は必ずしも連続している必要はなく、断続していても通算して3日に達すれば足ります。④は誤りで、事業主の休業補償の支払義務は通勤災害ではなく業務災害の待期期間について生じます。
問62-4

休業補償給付の額に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①休業補償給付として、休業1日につき給付基礎日額の100%に相当する額が支給される。
  • ②休業補償給付として、休業1日につき給付基礎日額の60%に相当する額が支給される。
  • ③休業補償給付として、休業1日につき給付基礎日額の80%に相当する額が支給される。
  • ④休業補償給付として、休業1日につき給付基礎日額の50%に相当する額が支給される。
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正解 ②休業補償給付として、休業1日につき給付基礎日額の60%に相当する額が支給される。
解説
休業補償給付は、休業1日につき給付基礎日額の60%に相当する額が支給されます。これに加えて、社会復帰促進等事業として休業特別支給金(給付基礎日額の20%)が支給されるため、両者をあわせた実質的な保障水準は給付基礎日額の80%相当となります。

他の選択肢が誤りの理由
①は誤りで、100%が支給されるわけではありません。③は誤りで、80%は休業補償給付単体の割合ではなく、休業特別支給金をあわせた合計の割合です。④は誤りで、50%という割合は休業補償給付の給付率ではありません。
問72-4

休業特別支給金に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①休業特別支給金は、休業補償給付を受けていなくても、療養のため通院しているだけで支給の対象となる。
  • ②休業特別支給金は、休業補償給付とは別に労働基準監督署長への個別申請をしなければ一切支給されない。
  • ③休業特別支給金として、休業補償給付にあわせて給付基礎日額の20%に相当する額が支給される。
  • ④休業特別支給金として、休業補償給付にあわせて給付基礎日額の40%に相当する額が支給される。
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正解 ③休業特別支給金として、休業補償給付にあわせて給付基礎日額の20%に相当する額が支給される。
解説
休業特別支給金は、社会復帰促進等事業の一環として、休業補償給付を受ける労働者に対し、休業1日につき給付基礎日額の20%に相当する額が支給されるものです。休業補償給付の60%とあわせて、実質的に給付基礎日額の80%相当が保障される仕組みとなっています。

他の選択肢が誤りの理由
②は誤りで、個別の申請書は必要ですが、休業補償給付の請求と同時に行うことができ、別途独立した厳格な手続を要するわけではありません。①は誤りで、休業補償給付の支給を受けることを前提とした給付であり、通院しているだけでは支給対象となりません。④は誤りで、40%という割合は休業特別支給金の給付率ではありません。
問82-4

一部労働不能の日(部分的に就労した日)における休業補償給付の額に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①一部労働不能の日については、平均賃金相当額とその日に実際に支払われた賃金額との差額の60%が支給される。
  • ②一部労働不能の日については、いかなる場合であっても、休業補償給付は一切支給されないとされる。
  • ③一部労働不能の日については、実際に支払われた賃金額にかかわらず、給付基礎日額の60%の全額が支給される。
  • ④一部労働不能の日については、平均賃金相当額と実際に支払われた賃金額との差額の全額が支給される。
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正解 ①一部労働不能の日については、平均賃金相当額とその日に実際に支払われた賃金額との差額の60%が支給される。
解説
療養のため所定労働時間の一部のみ就労し、一部分についてのみ賃金を受けた日については、給付基礎日額に相当する額からその日に実際に支払われた賃金額を差し引いた額の60%に相当する額が休業補償給付として支給されます。全く就労しない日とは異なる計算方法が用いられる点に注意が必要です。

他の選択肢が誤りの理由
②は誤りで、一部就労であっても賃金の低下分について休業補償給付が支給されます。④は誤りで、実際に支払われた賃金額を考慮せずに全額が支給されるわけではありません。③は誤りで、差額の全額ではなく、差額の60%が支給されます。
問92-4

療養補償給付を受けている労働者が指定医療機関を変更する場合の手続に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①指定医療機関の変更は、事業主による書面での事前の承諾を得なければ、いかなる場合であっても認められない。
  • ②指定医療機関を変更する場合は、所定の届書を、変更後の指定医療機関を経由して所轄労働基準監督署長等に提出する。
  • ③指定医療機関を一度選択した場合、症状が悪化するなどの事情があっても、その後の変更は、もはや一切認められない。
  • ④指定医療機関の変更をする場合は、変更前の指定医療機関に対してのみ届出をすれば、その手続が完了する。
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正解 ②指定医療機関を変更する場合は、所定の届書を、変更後の指定医療機関を経由して所轄労働基準監督署長等に提出する。
解説
療養の給付を受ける指定医療機関を変更しようとするときは、療養補償給付たる療養の給付を受ける指定病院等(変更)届を作成し、変更後の指定医療機関等を経由して所轄労働基準監督署長に提出することとされています。転居や症状に応じた専門医療機関への転院等の事情により変更が認められます。

他の選択肢が誤りの理由
①は誤りで、事業主の事前承諾は指定医療機関変更の要件とされていません。③は誤りで、症状の変化等の合理的な事情があれば変更は認められます。④は誤りで、届出先は変更前ではなく変更後の指定医療機関を経由します。
問102-4

労災保険における「治癒(症状固定)」の意義に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①医学上一般に承認された治療を行っても、その効果がそれ以上期待できなくなった状態を治癒という。
  • ②急性期の症状が一時的に軽減しただけの状態であっても、治癒として療養補償給付が打ち切られる。
  • ③傷病の症状が投薬や理学療法等の治療により今後さらに医学的に改善する見込みがある状態を治癒という。
  • ④傷病が完全に元の状態に回復し、いかなる自覚症状も残っていない状態のみを治癒というとされている。
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正解 ①医学上一般に承認された治療を行っても、その効果がそれ以上期待できなくなった状態を治癒という。
解説
労災保険における治癒(症状固定)とは、完全に元の状態に回復することを意味するのではなく、症状が安定し、医学上一般に承認された治療方法をもってしても、それ以上の治療効果が期待できなくなった状態をいいます。治癒後に障害が残った場合は、障害補償給付の対象となり得ます。

他の選択肢が誤りの理由
②は誤りで、一時的な症状の軽減だけでは治癒とは扱われず、療養補償給付が打ち切られることはありません。③は誤りで、今後さらに医学的な改善が見込まれる間は治癒(症状固定)とはされず、療養が継続します。④は誤りで、完全に元の状態に回復し自覚症状が一切残っていない状態のみに限定されるものではなく、症状固定後に障害が残ることもあります。

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