2026年版・2-1

総則・適用事業・保険関係の成立の一問一答

社会保険労務士(社労士)「労災保険法」から、総則・適用事業・保険関係の成立に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問12-1

労働者災害補償保険法第1条が定める目的の説明として、正しいものはどれか。

  • ①業務上及び通勤による労働者の傷病等への保護と、被災労働者の社会復帰の促進等を図ることを目的とする。
  • ②業務上の傷病のみが保護の対象であり、通勤による傷病はこの法律の目的に含まれないものとされている。
  • ③労働者の保護よりも、事業主が負う民事上の損害賠償責任を軽減することを主たる目的として設けられている。
  • ④労働者本人だけでなく、その家族の私生活上の傷病についても同一の給付率で保険給付を行う制度である。
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正解 ①業務上及び通勤による労働者の傷病等への保護と、被災労働者の社会復帰の促進等を図ることを目的とする。
解説
労災保険法第1条は、業務上及び通勤による労働者の負傷、疾病、障害又は死亡等に対して迅速かつ公正な保護をするため必要な保険給付を行うとともに、あわせて被災労働者の社会復帰の促進等の事業を行うことを目的として定めています。業務災害と通勤災害の双方が対象である点が重要です。

他の選択肢が誤りの理由
②は誤りで、通勤による傷病も業務上の傷病と並んで法の目的に含まれます。③は誤りで、この法律は事業主の責任軽減のためではなく労働者本人の保護のために設けられています。④は誤りで、対象は労働者本人の業務上・通勤による傷病等に限られ、家族の私生活上の傷病は対象外です。
問22-1

労働者災害補償保険の保険者(管掌者)に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①都道府県知事が保険者となり、都道府県ごとに独立した会計で保険給付を行う仕組みとなっている。
  • ②政府が保険者として労災保険事業を管掌し、全国統一の制度として保険給付が行われると解される。
  • ③労働基準監督署長が保険者となり、管轄区域ごとに保険料率を独自に決定する権限を持つ。
  • ④民間の損害保険会社が保険者となり、事業主が任意に契約先を選択できる仕組みとなっている。
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正解 ②政府が保険者として労災保険事業を管掌し、全国統一の制度として保険給付が行われると解される。
解説
労災保険法第2条により、労災保険事業は政府が管掌するものとされています。全国どこの事業場であっても同一の基準・保険料率体系のもとで統一的に運営される国の保険制度であり、都道府県や民間企業が保険者となることはありません。

他の選択肢が誤りの理由
①は誤りで、都道府県知事が保険者となる制度ではありません。③は誤りで、労働基準監督署は保険給付に関する事務の窓口ですが、保険者そのものではなく、保険料率を独自に決める権限もありません。④は誤りで、労災保険は国が管掌する強制保険であり、民間保険会社が保険者となることはありません。
問32-1

労災保険の適用事業に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①株式会社が営む事業のみが適用事業となり、個人事業主が営む事業は一律に適用対象外とされる。
  • ②常時10人以上の労働者を使用する事業のみが適用事業となり、それ未満の事業は適用対象外となる。
  • ③労働者を1人でも使用する事業は、事業の規模や業種を問わず、原則として当然に適用事業となる。
  • ④適用事業となるかどうかは、事業主が労働基準監督署に申請し、その承認を受けて初めて決まる。
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正解 ③労働者を1人でも使用する事業は、事業の規模や業種を問わず、原則として当然に適用事業となる。
解説
労災保険は労働者を使用する事業を原則としてすべて適用事業とする強制適用の仕組みを採っています。労働者が1人でもいれば、法人・個人、業種、規模を問わず当然に適用事業となり、事業主の意思や申請の有無にかかわらず保険関係が発生する点が特徴です。

他の選択肢が誤りの理由
②は誤りで、労働者数10人以上という人数基準は適用事業の要件にはなっていません。①は誤りで、法人か個人かによって適用の有無が左右されることはありません。④は誤りで、適用事業となるかどうかは事業主の申請・承認によって決まるものではなく、要件を満たせば法律上当然に決まります。
問42-1

労災保険の暫定任意適用事業に関する記述として、誤っているものはどれか。

  • ①暫定任意適用事業は、主に農業・林業・水産業の一部の個人経営の事業について定められている。
  • ②暫定任意適用事業であっても、事業主が加入の申請をして認可を受ければ適用事業となる。
  • ③暫定任意適用事業の労働者の過半数が希望した場合、事業主は加入の申請をする義務を負う。
  • ④暫定任意適用事業は、製造業や建設業など労働者数の多い個人経営の事業を主な対象としている。
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正解 ④暫定任意適用事業は、製造業や建設業など労働者数の多い個人経営の事業を主な対象としている。
解説
暫定任意適用事業は、労働者災害の発生状況等を踏まえ、農業・林業・水産業のうち一定規模未満の個人経営の事業について例外的に任意適用としているものです。製造業や建設業は原則としてすべて強制適用事業であり、暫定任意適用事業の対象にはなりません。

他の選択肢が正しい理由
①は正しく、暫定任意適用事業は農林水産業の一部の個人経営の事業を対象としています。②は正しく、事業主が申請し認可を受けることで適用事業となる仕組みです。③は正しく、労働者の過半数が希望したときは、事業主に加入申請の義務が生じます。
問52-1

労災保険の保険関係の成立時期に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①事業が開始された日又は適用事業に該当するに至った日に、法律上当然に保険関係が成立する。
  • ②事業主が保険関係成立届を所轄労働基準監督署長に提出した日に初めて保険関係が成立する。
  • ③所轄労働基準監督署長が保険関係の成立を認可する決定をした日に、保険関係が成立する。
  • ④事業を開始した日が属する保険年度の翌保険年度の4月1日に、保険関係が成立するとされる。
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正解 ①事業が開始された日又は適用事業に該当するに至った日に、法律上当然に保険関係が成立する。
解説
労働保険徴収法上、適用事業の保険関係は、事業が開始された日又はその事業が適用事業に該当することとなった日に、事業主の意思や届出の有無にかかわらず法律上当然に成立します。保険関係成立届の提出は、既に成立した保険関係を政府に届け出る事後的な手続にすぎません。

他の選択肢が誤りの理由
②は誤りで、届出をした日に成立するのではなく、事業開始の日に遡って当然に成立しています。③は誤りで、労働基準監督署長による認可という行政処分によって成立するものではありません。④は誤りで、保険年度の開始日まで成立が持ち越されることはありません。
問62-1

いわゆる二元適用事業に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①二元適用事業とは、労災保険と雇用保険の両方について、保険関係の成立自体が免除される事業をいう。
  • ②建設の事業などでは、労災保険と雇用保険の保険関係をそれぞれ別個に取り扱う二元適用事業である。
  • ③二元適用事業に該当する事業は、労災保険にのみ加入すればよく、雇用保険への加入義務を負わない。
  • ④二元適用事業とは、1つの事業を2つの都道府県にまたがって営む事業のことを指す用語である。
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正解 ②建設の事業などでは、労災保険と雇用保険の保険関係をそれぞれ別個に取り扱う二元適用事業である。
解説
建設の事業や農林水産の一部の事業などは、労災保険に係る保険関係と雇用保険に係る保険関係を一体として扱うことが実態にそぐわないため、両者を別個の保険関係として取り扱う二元適用事業とされています。これに対し、それ以外の多くの事業は両保険を一体で扱う一元適用事業です。

他の選択肢が誤りの理由
①は誤りで、二元適用事業でも両保険の保険関係の成立自体は必要であり、免除される制度ではありません。③は誤りで、要件を満たせば雇用保険にも別途加入する義務があります。④は誤りで、都道府県をまたぐかどうかとは無関係の概念です。
問72-1

労災保険法上の「労働者」の考え方に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①労災保険法上の労働者に該当するためには、事業主との間で書面による労働契約を締結していることが必要である。
  • ②労災保険法上の労働者に該当するためには、期間の定めのない労働契約を締結していることが必要である。
  • ③労災保険法上の労働者とは、労働基準法上の労働者と同一であり、職業の種類を問わず賃金を支払われる者をいう。
  • ④労災保険法上の労働者とは、社会保険料の算定対象となる者に限られ、労働基準法上の労働者とは範囲が異なる。
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正解 ③労災保険法上の労働者とは、労働基準法上の労働者と同一であり、職業の種類を問わず賃金を支払われる者をいう。
解説
労災保険法には労働者の定義規定が独自に置かれていませんが、労働基準法上の労働者(職業の種類を問わず、事業に使用される者で、賃金を支払われる者)と同一の範囲であると解されています。パートタイマーやアルバイトであっても、この要件を満たせば労災保険の適用対象となります。

他の選択肢が誤りの理由
②は誤りで、期間の定めの有無は労働者性の判断要素ではなく、有期契約労働者も当然に労働者に含まれます。①は誤りで、労働契約は口頭でも成立し、書面の作成は労働者性の要件ではありません。④は誤りで、独自の範囲が定められているわけではなく、労働基準法上の労働者と同一です。
問82-1

法人の代表者や役員の労災保険の適用に関する記述として、誤っているものはどれか。

  • ①株式会社の代表取締役は、原則として労災保険法上の労働者には該当しないと解されている。
  • ②工場長を兼務する取締役のように、労働者としての実態を有する役員は労働者性が認められ得るとされる。
  • ③法人の役員であっても、業務執行権を持たず賃金を受けて働く実態があれば労働者と扱われ得る。
  • ④法人の役員は、その地位にある限り常に労働者に該当し、労災保険の対象になるとされている。
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正解 ④法人の役員は、その地位にある限り常に労働者に該当し、労災保険の対象になるとされている。
解説
法人の代表者や業務執行権を持つ役員は、事業主と一体の立場にあるため、原則として労災保険法上の労働者には該当しません。ただし、いわゆる兼務役員のように、役員としての地位を有しつつ工場長や部長等として賃金を受けて労働に従事する実態がある者は、労働者としての性格を有する部分について労働者性が認められることがあります。

他の選択肢が正しい理由
①は正しく、代表取締役は原則として労働者に該当しません。②は正しく、兼務役員の労働者性についての実務上の考え方を正しく説明しています。③は正しく、業務執行権を持たず賃金を受けて働く実態がある役員は労働者と扱われ得ます。
問92-1

建設の事業が数次の請負によって行われる場合の事業主の取扱いに関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①原則として元請負人のみを事業主とみなし、下請負人の労働者も元請負人の事業の労働者として扱う。
  • ②下請負人ごとに個別に事業主として扱われ、元請負人は下請負人の労働者について何ら責任を負わない。
  • ③元請負人と下請負人が請負代金の比率に応じて連帯して保険料を折半して負担する仕組みとされている。
  • ④数次の請負による建設の事業では、労働者数が最も多い下請負人のみが事業主として扱われる。
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正解 ①原則として元請負人のみを事業主とみなし、下請負人の労働者も元請負人の事業の労働者として扱う。
解説
建設の事業が数次の請負によって行われる場合、下請負人ごとに保険関係を成立させると事務が煩雑になり、労働者保護に欠けるおそれもあるため、労災保険法上は原則として元請負人のみを事業主とみなします。下請負人に使用される労働者も、元請負人の事業に使用される労働者として一体的に取り扱われます。

他の選択肢が誤りの理由
②は誤りで、下請負人ごとに個別の事業主として扱う仕組みではありません。③は誤りで、請負代金の比率に応じて保険料を折半する制度は存在しません。④は誤りで、労働者数の多寡によって事業主が決まるものではなく、元請負人が事業主となるのが原則です。
問102-1

労災保険における適用事業の単位の考え方に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①適用事業の単位は、常に法人格のみを基準として判断され、1つの法人は必ず1つの事業として扱われる。
  • ②適用事業の単位は、原則として場所的に独立しているかどうかを基準として個々の事業ごとに判断される。
  • ③適用事業の単位は、事業主が任意に決定できるものであり、届出内容によって自由に変更できる。
  • ④適用事業の単位は、業種を基準として判断され、同一業種の事業は自動的に1つの事業とされる。
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正解 ②適用事業の単位は、原則として場所的に独立しているかどうかを基準として個々の事業ごとに判断される。
解説
労災保険における事業の単位は、経営組織上のまとまりよりも、場所的な独立性を主な基準として判断されます。本社と支店・工場のように場所が離れている場合は、原則としてそれぞれが別個の事業として扱われ、個々に保険関係が成立します。

他の選択肢が誤りの理由
①は誤りで、法人格が同一であっても、場所的に独立していれば別個の事業として扱われます。③は誤りで、事業主が任意に事業の単位を決定できるものではありません。④は誤りで、業種のみを基準に事業の単位が自動的に決まるものではなく、場所的独立性が基本的な考え方です。

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